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1月27日の日本の昔話

カニの甲羅の毛

カニの甲羅の毛

鹿児島県の民話鹿児島県情報

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投稿者 「ちょこもち」  ちょこもち

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投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
【大人も子供もぐっすり眠れる睡眠朗読】心ふんわり軽くなる日本昔ばなし特集 元NHKフリーアナ

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投稿者 「眠りのねこカフェ

♪音声配信(html5)
音声 ☆横島小次郎☆

 むかしむかし、サルとカニが餅を作る事になりました。
「カニどん、おらが餅をついてやるから、カニどんは餅米を持って来てくれ」
  カニは家から餅米を持って来ると、サルに渡しました。
「よしよし、ではカニどん。おらが餅をついてやるから、カニどんはこの餅米を蒸してくれ」
  カニは言われた通りに、餅米を蒸しました。
「よしよし、ではカニどん。おらが餅をついてやるから、餅をつく為のうすときねを持って来てくれ」
  カニはうすときねを持っていなかったので、山へ行くと自慢のハサミで木を切り倒し、木を削ってうすときねを作りました。
  カニからうすときねを受け取ったサルは、やれやれと言う様に首を横に振って言いました。
「駄目駄目。うすは良いが、こんな曲がったきねじゃ、餅はつけんよ」
  カニは仕方なくまた山へ行って、きねにぴったりの木を探しました。

  さて、その間にサルは曲がったきねとうすで餅をつくと、その餅を持って柿の木に登ってしまいました。
  やがてカニはまっすぐのきねを作って来ましたが、すでにサルは木の上でつきたての餅を食べようとしています。
「やあ、カニどん。
 残念だけど、餅は全部頂くよ。
 欲しかったら、ここまで来てみなよ。
 まあ、カニの足ではここまで登れないだろうけどね。
 ウッキキキー」
  木の上から馬鹿にするサルに腹を立てたカニは、持っていたきねでサルが登った柿の木を思いっきり叩きました。ドーーーン!
  するとその振動でサルはバランスを崩して、食べようとしていた餅を落としてしまったのです。
「しまった!」
  サルが慌てて木から降りると、餅はカニが自分の家に持って帰った後でした。
  サルは、カニの家の戸を叩くと言いました。
「悪かった、カニどん。謝るから、おらにも餅を分けてくれよ」
「・・・・・・」
  カニは餅をしっかりと掴んだまま、返事をしません。
「わかった。カニどんが前から欲しがっていた、毛を一本やろう。毛が生えていると、暖かいぞ」
「・・・・・・」
「じゃあ、毛を二本でどうだ?」
「・・・・・・」
「じゃあ、毛を三本だ!」

  なんともせこい交渉ですが、意外にもカニは納得したらしく、サルから毛を三本もらうと餅を半分にして、片方をサルに分けてあげました。

  その時からです。
 サルの毛がむかしより三本少なくなって、代わりにカニの甲羅に毛が生えるようになったのは。

おしまい

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