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2月5日の日本の昔話
投稿者 「カボスひろし」 大分県産カボスひろしTV
星を落とす
吉四六(きっちょむ)さん → 吉四六さんについて
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投稿者 「カボスひろし」 大分県産カボスひろしTV
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投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
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投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
【大人もよく眠れる睡眠朗読】日本昔話集 心やすらぐとんち話 元NHKフリーアナ 読み聞かせ
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制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
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投稿者 癒しのココロちゃんねる 【睡眠用朗読】
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制作 : 眠れない夜の、眠れるお話
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投稿者 「眠りのねこカフェ」
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
ある日の事、吉四六さんが、村人たちに向かって言いました。
「今夜、わたしは空の星をほうきではいて落とすから、みんなで拾いに来て下さいな」
「何だって? 空の星をほうきで落とす。はん。馬鹿馬鹿しい事言うな」
「じゃあ、来なくてもいいですよ。わたしが一人で落とすから。あの空の星はみんな金で出来ているから、わたし一 人で拾ってお金持ちになるから。後でうらやましがったって知らないから」
そう言う吉四六さんの言葉に、村人たちもついつい欲が出て、
「それじゃあ、試しに行ってみようか?」
「そうだな。万が一と言う事があるし」
と、夜になると吉四六さんの家の周りに集まってきました。
しかし、肝心の吉四六さんがどこにもいません。
「おかしいな、吉四六さんはどこへ行ったのだろう?」
「おーい。吉四六さーん!」
誰かが呼んでみると、
「おーい。ここだ」
と、頭の上で答える声がします。
見てみると吉四六さんが屋根の上に登っていて、手に長い竹ぼうきを持っていました。
「吉四六さん、星はまだ落ちないのかい?」
「まあ、そんなに急ぐもんじゃあないよ。もう少し、待ちなさい」
そう言って吉四六さんは、空を見上げました。
暗い空には、キラキラとたくさんの星が光っています。
「ところで吉四六さん。あんな高い空まで、ほうきが届くのかい?」
みんなが笑いながら言うと、吉四六さんはまじめな顔で、
「届くとも、今にきっと、金の星をはたき落としてやるからな」
と、言いながら、ほうきを振り回しましたが、もちろん、星は一つも落ちて来ません。
「あれ、おかしいな?」
吉四六さんは、少し慌てました。
「ほれ、ほれ、落ちろ! はやく落ちろ! すぐに落ちろ!」
怒鳴りながらほうきを振り回す吉四六さんに、村人の一人が言いました。
「だから駄目だって。もう止めなよ。屋根から落ちたら怪我をするよ」
「何、そう簡単にあきらめるものか。見ていろ!」
吉四六さんは、むきになってほうきを振り回しました。
するとその時、空の星が1つ、スーッと流れて、どこかへ落ちていきました。
それは、流れ星です。
でも、吉四六さんは、
「よし、やったぞ!」
と、大きな声で大喜びです。
「そら、そら、星が落ちただろう。わたしがほうきで落としたんだ。みんな早く行って、拾っておいで」
おしまい
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