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2月26日の日本の昔話
引っ張り合図
掣索仔做信號
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福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、ある村に、とても世間知らずの婿さんがいました。
頭擺頭擺,有一个村莊戴一個毋知世事个細郎。
ある日の事、その婿さんが嫁さんと一緒に実家に呼ばれました。
有一日,外家喊細郎摎妹仔轉外家。
二人に、ごちそうをしてくれると言うのです。
講愛準備當豐沛請佢二儕。
嫁さんは、少し考えました。
新娘小可考慮一下。
(この人がごちそうを食べる順番を間違えて笑われない様にしないと)
(這個人千萬毋好因為食菜个順序毋著來分人笑。)
そこで嫁さんは、婿さんの服に糸をぬい付けるとこう言いました。
所以新娘拿條索仔攣在衫項,摎佢講:
「あなた、あたしが横で、この糸を引っ張って合図をします。
「老公,𠊎在你个側旁攣一條索仔,掣索仔做信號。
『ツン』と、一回引っ張ったら、おつゆを飲むのです。
『zun55』掣一下你斯啉湯,
『ツンツン』と、二回引っ張ったら、ごはんを食べるのです。
『zun55 zun55』掣二下你就划飯,
『ツンツンツン』と、三回引っ張ったら、おかずを食べるのですよ」
『zun55 zun55 zun55』掣三下你就夾菜食。」
「うん、わかった」
「m11,知了。」
さて、二人が実家に着くと、さっそくごちそうが並べられました。
兩儕一轉到外家,早就排好一桌豐沛酒席。
横に並んだ嫁さんが、『ツン』『ツンツン』『ツンツンツン』と、上手に合図を出してくれるので、婿さんは、おつゆも、ごはんも、おかずも、順序よく落ち着いて食べ始めました。
坐在兩隔壁个妹仔『zun55』、『zun55 zun55』、『zun55 zun55 zun55』,非常熟手个送出信號,細郎定定開始啉湯、扒飯、夾菜定定仔一項一項來。
それを見て実家の両親は、
丈人老、丈人哀看到這種情形斯講:
「世間知らずと聞いていたが、なかなか大した者じゃ」
と、感心しました。
「聽講佢毋知世事,毋過𠊎看佢盡了不起!」
非常佩服。
でもそのうちに、嫁さんはトイレに行きたくなったので、
中間,因為新娘去便所,
(まあ、少しの間くらいは大丈夫でしょう)
(離開一下仔無関係敢?),
と、持っていた糸を後ろの柱に結んで、部屋を出て行きました。
索仔解下來綯在後背楯仔項,行出房間。
するとそこにネコがやって来て、ゆらゆらとゆれる糸にじゃれつき始めたのです。
恁堵好一條貓仔走落來,看著索仔晃來晃去就拿來搞。
『ツンツン、ツン、ツンツンツンツンツン』
『zun55zun55、zun55、zun55 zun55 zun55 zun55 zun55』
ネコが無茶苦茶に糸を引っ張るので、 婿さんはびっくりです。
貓仔盡命牯濫糝拉,細郎嗄著驚。
「これは大変だ! 急がないと」
「壞了!無較遽兜做毋得了!」
婿さんはネコが引っ張るのに合わせながら、おつゆも、ごはんも、おかずも、夢中で口に放り込みました。
細郎照貓仔个信號,摎湯、飯、菜,像發癲樣放勢塞落嘴空。
その様子を見ていた実家の両親たちは、
看到這種情形个丈人老、丈人哀,斯講:
「やっぱり、この婿さんは相当な世間知らずじゃ」
「總講這個細郎盡毋知世事哦。」
と、あきれ果てたそうです。
看到目盯盯、嘴擘擘。
おしまい
煞了
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