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      福娘童話集 > 百物語 > 一月 
      1月2日の百物語 
         (1月2日的日本鬼故事) 
          
         
死神の使い 
死神使者 
 
・日本語 ・日本語&中国語 
       
      ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
      
       
      投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士 
      
       
      
      
      戦国時代には、多くの殿さまが自分と良く似た家来を影武者(かげむしゃ→敵をあざむくため、殿さまと同じかっこうをさせた武者)にして、自分が殺される確率を減らしていました。 
        戰國時期、大名會邏一些跟自己長得像的人、來當自己的影武者、以降低自己被暗殺的風險。 
         
      ある日の夕方。 
        有天傍晚 
         
      髪の毛が真っ白のおじいさんが、お城へとやって来ました。 
      腦殼一頭白毛的老頭子往城裡面走。 
       
      「こら、用のない者が入ってはならん!」 
      裡面不可以隨便進去 
       
      門番が追い返そうとしましたが、おじいさんは門番の腕をすり抜けて、そのまま城の中へと入っていったのです。 
      守衛就攔到不讓這個人進入、老翁幫門衛手一甩、就這麼到直接往裡面走了。 
       
      「くせ者じゃ、取り押さえろ!」 
      有人鬧事、快幫他按到 
       
      門番が大声で言った時、すでにおじいさんは影武者の部屋に入っていました。 
      門衛還到大聲喊的時候、老翁就已經往影武者的房間去了。 
       
      「何者か?」 
        你是那個? 
         
        
        影武者が言うと、おじいさんが答えます。 
        老翁對到影武者這麼港 
       
      「お前さまを、お迎えにまいってございます」 
      我是來接你的人 
       
      「迎えとは、わしをどこへ連れて行くつもりだ?」 
      接我?是準備幫我帶到哪裡? 
       
      「はい、めいどの旅へでございます。 
        
        明日のこの時間に、また参ります。 
        
      それまでに、お支度をなさっておかれませ」 
      地府、明天的這個時候、請做好準備。 
       
      それを聞いて、影武者にはおじいさんの正体が分かりました。 
      聽到老翁這麼港、影武者這就曉得對方是那個了 
         
        「お主は、死神の使いだな。だが、わしはまだ死なぬぞ。死んでたまるか!」 
        你是白無常是把、但是我現在還米死、我是不得安心跟你到地府去的 
       
      影武者が、刀を抜きました。 
        影武者拔刀了 
         
        でも、おじいさんは落ち着いた声で言います。 
        但是老翁還是好冷靜的到港 
         
        「死にとうないとお思いなら、よい事をお教えいたしましょう。 
        你要是不想死我也有法子跟你港 
       
              お前さまと良く似たお方を、明日のこの時間に、この部屋におかれませ。 
              明天這個時候、帶一個和你長得一樣的人到這個房間來。 
       
      お前さまの代わりに、そのお方を連れて行きましょう。 
      我就帶走他、來代替你。 
       
      ・・・お前さまに良く似たお方とは、言わなくともわかりますな 」 
      和你長一樣、不用我港你最清楚。 
       
      おじいさんはそう言うと、煙の様に消えてしまいました。 
      老翁這麼一港完、就和煙一樣的散了。 
       
      「わしに、良く似たお方か・・・」 
      和我一樣的人………… 
       
      影武者は少し考えて、ニンマリと笑いました。 
        影武者思考了一陣、笑了 
         
        影武者に良く似た者は、このお城に一人しかいません。 
        和影武者一樣的人、城裡面只有一個。 
         
        「これこそ、もっけのさいわいというもの。 
        
        一生影武者のままで生きるしかないわしが、本当の殿さまになれる時が来た。 
        這才是勿怪之幸(無心插柳)我一生在他人陰影中而活、這次我要當真正的大名。 
         
      本当の殿さまになれば、あの美しい奥方は、わしの妻。 
        領主是我、那位貴人也需從我。 
         
        そして、この領地もわしの物。 
        領地也是為我。 
         
        フフフフッ、こいつはいい」 
        影武士者是笑了個卯卯翻天。 
       
      あくる朝、影武者が殿さまに言いました。 
        第二天影子對領主這麼港 
         
        「昨日は、見知らぬ白髪の老人が城に忍び込んだとのうわさがあります。用心の為に、今日はわたくしめが殿の代わりを」 
        昨天、有一個認不到的老翁入城、傳言有此事、用心起見、今天讓我來充當。 
         
      こうして今日一日は、影武者が殿さまの部屋に、殿さまが影武者の部屋で過ごす事にしたのです。 
        今天一天、領主住到影子房間、影子變成領主。 
         
      その日の夕方、昨日のおじいさんがお城へとやって来ました。 
        黃昏、昨天的老翁來了。 
         
      「くせ者じゃ!」 
      刺客!! 
       
       門番がおじいさんを取り押さえようとしましたが、おじいさんはまたもや門番の腕をすり抜けて、そのまま影武者の部屋へとやって来ました。 
       守衛想把老翁按到地上、又是被一手甩開、就一直往影子房間過去了。 
       
      おじいさんに気づいた殿さまが、大声で叫ぼうとしました。 
      看到老翁的領主、叫得好大聲 
       
      「無礼者! 誰か・・・」 
      那個、你是那個!! 
         
      しかし殿さまは、そのままたたみの上に倒れてしまい、家来たちが駆けつけた時には、もう死んでいました。 
      領主只是慢慢的倒落到榻榻米上面、等下僕趕來的時候、人已經死了。 
       
      その夜、主だった家来たちが緊急の会議を開き、影武者が殿さまになる事が決まりました。 
      那天夜裡、所有人展開緊急會議、讓影子代替領主。 
       
      殿さまが急死したと敵国に知られたら攻め込まれるかもしれないので、急死したのは影武者だという事にしたのです。 
        領主之死如果讓敵國知情、會有被攻打的危險、決定了今天死的人是影子、不是領主。 
         
       殿さまになる様にと言われた影武者は、ニンマリと笑いました。 
       影子成了領主、笑了起來。 
       
      「フフフフッ、何もかもうまくいったぞ」 
        他認為一切都好了起來。 
         
      次の日、殿さまになった影武者は主だった家来たちを広間へ集めると、今までのいくさの手柄に対するほうびだと言って、家来たちに次々とほうびを与えました。 
      第二天、變成領主的影子召見所有家臣、獎勵戰功、分與每個家臣獎賞。 
       
      家来たちの中には影武者が殿さまになったのを良く思わない者がいるので、そんな家来たちの機嫌を取る為です。 
      因為影子稱王、還是有好多人不服、這也是順他們的毛。 
       
      殿さまになった影武者が上機嫌で家来たちにほうびを与えていると、その家来たちの中に、あの死神の使いのおじいさんがちょこんと座っていたのです。 
      影子賞賜家臣自己也是心裡舒服、不曉得這個時候門客之中已經坐到了一位老翁 
       
       殿さまになった影武者は後ろに立てかけてあるヤリをつかむと、怖い顔で言いました。 
       影子馬上幫放到後架上的槍拿到手上、恐怖的表情。 
       
      「何ゆえに、また参った!? その方の用は、すんだはずじゃ!」 
      你的事已經完成、為甚麼還要前來、他和你之間已經兩清。 
       
      家来たちは息をのみ、いっせいに白髪のおじいさんを見つめました。 
      門客一哈都看到白髮老翁、嚥的一口氣。 
       
      おじいさんは、落ち着いた声で言います。 
      老翁慢慢的港 
       
      「おそれながら、お前さまをお迎えに。 
        
      実は殿さまのご寿命(じゅみょう)も、影武者と一日違いでございました」 
      今天、我是來接你、實際上你與他之間、性命也就一日之差。 
       
      「おのれ、死神め!」 
      甚麼?我要你死。 
       
      殿さまになった影武者は、おじいさんに向かってヤリを突き出しました。 
        影子幫槍往白無常一突。 
         
      しかし足を滑らせて、殿さまになった影武者は、自分のヤリで自分の心臓を突き刺してしまったのです。 
      踋底下一滑、那根槍就插到自己心臟裡面去了。 
       
      「殿!」 
      老爺 
       
        家来たちが駆け寄ると、殿さまになった影武者は、もう死んでいました。 
        門客都往那邊跑過去的時候、影子已經死了。 
       
      「まあ一日でも、願いがかなって、よろしゅうございましたな」 
      哈、讓你滿足心願一天、也該滿足。 
       
      白髪のおじいさんはそう言うと、煙の様に消えてしまいました。 
      白髮老翁港完、煙一樣的散了。 
      おしまい 
      结束 
         
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