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6月26日の百物語
(6月26日的日本鬼故事)
黒姫と黒竜

黒姫と黒竜
公主跟魔竜

日本語 ・日本語&中国語

むかしむかし、信濃の国(しなのくに→長野県)に黒姫(くろひめ)という美しい姫がいました。
到好久以前、信濃国(現長野縣)有個城主的女兒喊黑姬、長的好乖。

その噂は各国に知れ渡り、遠い国からも姫を嫁に貰いたいという申し出が後を絶ちませんでした。
哪裡都到傳城主有個乖女兒、不論近處、連四野八荒的各個主君都喊城主幫女嫁起自己。

ある秋の事、そんな噂を聞いた山奥の大沼池(おおぬまいけ)に住む黒竜(こくりゅう)が、この美しい姫を一度見たいと思って蝶(ちょう)に化けると、殿さまと一緒に散歩をしている黒姫の所へ飛んで来て、姫のまわりをひらひらと舞ったのです。
一個秋天、後面是連山裡面溼地的黑竜都曉得黑姬好乖了、也是想一窺真顏、就變成一條蝴蝶、飛到城主帶黑姬散步的地方、就到旁邊翅膀達達達的扇。

「まあ きれいだこと」
是真的好乖。

姫はうれしそうに、黒竜が化けた蝶に微笑みました。
公主對到黑竜變成的蝴蝶就笑。

その姫の微笑みに心を奪われた黒竜は姫の事が忘れられなくなり、何日も悩んだあげく、若侍に化けて姫のいる城を訪れました。
這一笑就幫黑竜笑進襠(陷入)了、忘不了、愁上心頭、這思緒就轉化為行動力、變成一條年輕武士、上城門拜訪了。

どの若者よりも立派な若侍に、すっかり感心した殿さまが身元をたずねると、
城主看他一表人才、比那個都要出眾、就問他出身。

「わたくしは、志賀山(しがやま)の大沼池の黒竜です。姫を一目見て以来 、姫の事がどうしても忘れられませぬ。どうか、姫をわたしに下さい」
實際上我是志賀山溼地黑竜、看到你女第一眼就喜歡上了、我要你幫女嫁起我。

と、黒竜は正直に正体を明かしたのです。
黑竜直接幫真身港明了。

「いくら立派でも、人間でないものに姫はやれん」
那不行、你不是人、在不凡也不能幫我女嫁起你。

殿さまに断わられましたが、黒竜はどうしても姫の事があきらめきれずに、それからも毎日、城へ通う様になりました。
岳老頭就算不讓、黑竜還是不放棄、每天都要上城來拜訪一遍。

そして百日目が過ぎた時、黒竜は殿さまに言いました。
這就百日來訪。

「もし姫をいただけるのなら、今後、あらゆる災いからこの城を守りましょう。ですが、どうしても駄目だというのなら、わたしにも考えがあります。・・・わたしは大水で、城と村々を押し流す事も出来るのですよ」
黑竜直接擺明了、公主過我、保你風調雨順、以後有甚麼事你還可以仰仗我、這樣子還是不行、我也有後手、那我就只能發大水幫這裡連城帶村全淹了。

これには、殿さまも困りました。
城主就想自己怎麼碰到這條案子。

そこで殿さまは、黒竜にこんな約束をしたのです。
這就跟黑竜下個賭約。

「明日、その人間の姿のままで、わしの馬に遅れずに城のまわりを二十周まわれたら姫をやろう」
明天你用人身跟我的馬賽跑、圍城二十圈、贏了公主就是你的了。

「本当ですか! ありがとうございます!」
真的?感謝!

黒竜が喜んで帰ると、殿さまはすぐに家来に命じて、城のまわりに刀を何本も埋め込ませたのです。
黑竜好高興的回去了、城主馬上命家臣幫城圍佈置好刀陣。

次の日、殿さまは城で一番足が速い馬にまたがると、やって来た若侍姿の黒竜に言いました。
次日、再騎條最快的馬、對變成年輕武士的黑竜港。

「黒竜、よいか。少しでも遅れたら、姫をあきらめるのだぞ」
黑竜、聽到、要是慢了一點、你就要認。

そして殿さまは馬にひとムチ当てて、勢いよく駆け出しました。
城主快馬加鞭、跑起來了。

黒竜もすぐさま、殿さまの後を追いました。
黑竜就追啊。

やがて家来が刀を仕込んだ場所に来ると、殿さまはうまく馬に飛び越えさせて、無事にそのまま駆け出しました。
來到刀陣佈置的方位、城主駕馬飛身一躍。

しかしそんな事とは知らない黒竜は、仕込んだ刀の罠に引っかかり、体中を切り裂いてしまったのです。
但是黑竜不曉得、著千刀萬剮了。

「ぬぬっ、計ったなぁ!」
騙人!

全身血だらけになった黒竜は怒りで竜の姿を現すと、竜の姿のまま馬に乗った殿さまを追いかけました。
身上到處炸的都是血的黑竜化成竜身、這就追城主去了。

そして血だらけになりながらも殿さまを追いかけ続け、そのまま殿さまに遅れる事なく、城の周りを二十周回りきったのです。
就算全身血都到流、但是也覓(沒)慢城主、二十圈過去、贏了。

黒竜は息も絶え絶えになりながらも、殿さまに言いました。
黑竜這二十圈跑完人也虛了、對到城主港。

「さあ、約束です。姫を下さい」
要城主完成約定

しかし殿さまは、腰の刀を抜くと、
但是城主抽刀。

「わしは、人間の姿のままでと言ったはずだ。お前の様な化け物に、姫はやれぬ!」
我港的是人的樣子、你非人、我是不得幫公主過你的。

と、黒竜に斬りかかったのです。
對到黑竜就是一刀。

黒竜はその一撃を何とかかわすと、
黑竜躲過去了。

「よくも裏切ったな! 見ておれ!」
我讓你曉得騙我的下場!

と、叫びながら、空高く飛んで行くと、真っ黒な雲を空一面に張り巡らせて、激しい雨をゴーゴーと降らせたのです。
這一嬉、就上天了、黑雲就佈置起來了、一哈大雨就來了。

その雨は一向にやむ気配がなく、四日目になると川からあふれ出た水で、村々は今にも流されんばかりとなりました。
雨覓得一點要停的意思、四天後、河裡面的水也滿出來了、村落離被沖走就到眼前。

これを見た黒姫は、殿さまが止めるのも聞かずに外へ走り出すと、大雨が降る空に向って叫びました。
公主看到這個樣子、城主都港不聽、對到下雨的天空大吼。

「黒竜よ! わたしはあなたのもとへ行きます! ですから、どうか嵐を鎮めて下さい!」
也是港自己依了黑竜、讓他停了風雨。

すると、どうでしょう。
這就

あれほど激しかった大雨がぴたりとやんで、空から一筋の黒雲が矢の様に下りて来ました。
大雨轉眼急逝、一片黑雲像箭一樣射了下來。

そしてその黒雲が黒姫の体を包み込んだとたん、黒雲は黒姫の姿と一緒に消えてしまったのです。
這雲就幫公主一包、都不見啦。

その後、殿さまがどんなに探しても、黒姫は二度と見つかりませんでした。
這後面城主是哪裡都邏不到自己女了。

しかしそれ以来、村には何一つ災いが起らなくなったそうです。
而且、這地方以後是真一點災禍都覓發生過。

おしまい
结束

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