| 
       | 
      | 
            福娘童話集 > 百物語 > 九月 
      9月23日の百物語 
         (9月23日的日本鬼故事) 
          
         
小便のおけ 
      尿桶 
       
      ・日本語 ・日本語&中国語 
      
      
      むかしむかし、村祭りで若者たちが狂言(きょうげん)をする事になり、神社にある小さな舞台(ぶたい)を大きく広げる工事が始まりました。 
        到好久以前、村裡面慶祝宴、年輕人就演戲、幫宮廟裡面的小唱台改修一哈作戲棚。 
         
      村人たちがひと月近くも手弁当(てべんとう→自分で弁当を用意することで、一般的にボランティア活動をさします)で仕事を続け、あとは壁の残りの部分を塗り終えれば完成です。 
        就都當跟村裡面做貢獻了、這些個工人師傅打了快一個月白工、再就差幫牆刷哈子就可以交差了。 
       
      「おい、音吉(おときち)。壁土(かべつち)をねる水が足りねえから、水を持って来てくれ」 
      喂、音吉、提桶子水過來、合水泥。 
       
      「へーい」 
      好 
       
      言いつけられた音吉(おときち)という若者が、かついできたおけの水を壁土の中へ勢い良く入れました。 
      音吉還是條覓(沒)好大的小卵日、這就幫水提一桶子、全澆水泥裡面去了。 
       
      するとそれを見ていた近くの人が、大声で音吉を叱りつけました。 
      旁邊人這就癲人了、幫音吉當哈卵罵。 
       
      「こら! そのおけは、小便を入れるおけじゃねえか。そんなきたねえ物に水を入れて来る奴があるか!」 
      我是讓你提條尿桶子過來了啊、我們做喜事、你搞這麼條䖰疓(不潔)東西 
       
      「あっ! ・・・すみません」 
      音吉才曉得自己搞錯了、馬上港好話。 
       
      音吉が謝りましたが、すでにおけの水は壁土にそそがれてしまったので、今さらどうする事も出来ません。 
      但這水泥都摻水了也取不出來了啊。 
       
      「まったく、しょうがねえなあ。・・・まあ、小便で壁土をこねたわけではねえから、いいか」 
      我真是日你個好傢伙、算了、也不是用的尿反正都是水、將就哈子。 
       
      そう言って、こねた土を壁に塗って仕事を終えました。 
      這就刷牆完工。 
       
      「よし、完成だ」 
      搞定。 
       
      若者たちは新しく出来た舞台で、さっそく狂言の稽古をはじめました。 
      年輕人這就上去先唱個二句看這台子搭的怎麼樣。 
       
      さて、それから夜がふけてくると、舞台のあちこちに白いワタの様な物がたくさん現れて、フワリフワリと空中を舞いはじめたのです。 
      晚上也就見鬼了、台子上面這裡哪裡、都飄出一些白色的棉花絮絮樣的東西。 
       
      「なっ、何だこれは?!」 
        這是條甚麼傢伙哦!? 
         
      「さわろうとすると、逃げていくぞ」 
      你摸他還會跑 
       
      若者たちは気味が悪くなって役人へ届けましたが、役人が調べても白い物の正体はわかりません。 
      唱戲這群喊條公差來看、也是覓搞清楚這東西到底是條甚麼。 
       
      「きっと、キツネかタヌキのイタズラだろう」 
      肯定不是狐狸就是狸子的把戲。 
       
      「出て来たら、こらしめてやらねえとな」 
      下次邏到起來、打死。 
       
      次の日も、若者たちは舞台で狂言の稽古を始めました。 
      第二天又是現(老)樣子、到台子上面唱戲提前做準備。 
       
      そして夜がふけてくると、突然、 
      晚上了 
       
      「バァーーーン!」 
      聲響 
       
      と、大きな音がして、たくさんの火の玉が舞台の上に現れたのです。 
      一聲巨響、舞台上面又是出來了好多條鬼火。 
       
      「うわーっ! 逃げろー!」 
      鬼啊!快跑啊! 
       
      狂言の稽古をしていた若者たちは、あわてて舞台から逃げ出しました。 
      這哈子演戲的這群都下台子跑路啦。 
       
      そして三日目の夜になると、裏山から、 
      第三天是從後山那邊 
       
      「ゴゴゴーーッ!」 
      聲響 
       
      と、地響きの様な音が響いてきて、舞台のまん中に突然白い衣を着た老人が現れたのです。 
      就聽到地上到搖、一條白衣服老頭頭出現到戲台中間了。 
       
      その老人は右手に榊(さかき→ツバキ科の常緑小高木)の枝を持ち、左手にろうそくを持っています。 
      老頭右手一根榊葉枝杖、左手幫蠟燭捏手裡的。 
       
      老人は顔を上げると、茶碗ほどもある大きな目玉で若者たちをにらみつけました。 
      老頭子一挺身、二顆眼珠子對到年輕人就認到的、有條茶碗那麼大。 
       
      「どぉひゃー! 化け物だー!」 
      鬼啊! 
       
      若者たちは雨戸(あまど)を蹴破って、外へ飛び出して行きました。 
      年輕人幫門上擋雨的板子都過膼爛了、飛奔。 
       
      次の日、村人たちが集まって、舞台に現れる怪しい物について話し合いました。 
      次日、昨天的人都潽(聚)到一起、都到港昨天發生的怪事。 
       
      「なあ、おれが思うに、昨日の白い衣を着た老人は、化け物ではなく神さまじゃねえのか」 
      我覺得昨天的那條就不是鬼、是條神仙。 
       
      「ああ、おれもそう思う。こわい顔だったが、立派な身なりをしていた」 
      對、我看他樣子也不像鬼、就是臉好惡。 
       
      「でも、何で神さまがおれたちの邪魔を?  おれたちは、何にも悪い事はしてないぞ。 舞台も、あんなに立派な物を作ったのに。・・・あっ!」 
      那神仙為甚麼要邏我們麻煩啦、我們又覓得罪他、還幫宮廟的戲台搭這麼氣派。 
       
      その時、村人たちは音吉の事を思い出しました。 
        這時候有人幫音吉的事想起來的。 
         
      「そうだ。小便のおけだ。小便のおけで運んだ水で壁土をねったので、神さまが怒っているのかもしれんぞ」 
      我曉得了、他用條尿桶子提水敷水泥、神仙曉得發火了。 
       
      そこで村人たちは小便のおけの水で作った部分の壁土を新しく作り替えると、神主さんに祈ってもらい狂言の舞台を清めました。 
      這麼到大家又一起幫那塊尿桶水泥敷過的牆面用清水重新敷、又喊廟公釋個術幫舞台淨化一哈。 
       
      すると神さまの怒りがおさまったらしく、その夜からは何も起こらなくなりました。 
      這神仙就幫脾氣收了、這天晚上是甚麼都覓出現過。 
       
      こうして若者たちは、安心して狂言の稽古にはげんだという事です。 
      這麼到台子上面也可以安心練習了。 
      おしまい 
        结束 
         
        (回到上一页) 
         
        
 
     | 
      | 
    
      
       |