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8月25日の日本民話
ニワトリの恩返し
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投稿者 「ひつじも眠る朗読チャンネル」 【優しい声で眠くなる読み聞かせ】心がほっこりする日本昔話集
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制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
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投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
むかし、ある村のお寺の和尚(おしょう)さんが、北海道から帰ってくる時の事。
連絡船(れんらくせん)の船室で眠っていた和尚さんは、不思議な夢を見ました。
夢には一羽のニワトリが現れて、こう言うのです。
「わたしは、この船に乗っているニワトリです。夜明け前には、飼い主に殺されて食べられてしまいます。どうかわたしを、助けてください。わたしの命を、六十銭で買い取ってください。和尚さま、どうかお願いいたします」
言い終わると、ニワトリはペコリと頭を下げて消えました。
目を覚ました和尚さんは、
「不思議な夢じゃ。しかしまあ、ただの夢だ」
と、思いましたが、とりあえずお供の小僧(こぞう)さんに一円札を持たせて言いました。
「ニワトリをつれている人がいたら、その人からニワトリを買い取りなさい」
すると小僧さんは、しばらくしてカゴに入ったニワトリと、つり銭の四十銭を持って和尚さんのところへ戻ってきました。
「金額まで同じとは、あの夢は正夢だったのか」
和尚さんはそのニワトリを港の知り合いの人にあずけて、村のお寺へ帰っていきました。
そのニワトリは、それから八ヶ月ほどして死んでしまいました。
知らせを受けた和尚さんは、ニワトリをあずけた知り合いの家まで出かけていって、ニワトリの供養(くよう)をしてやりました。
それからしばらくたったある日、和尚さんの夢の中に、またあのニワトリが現れました。
「和尚さま。おかげさまでわたしは、命をのばす事が出来ました。寿命がつきるまで生きられたのですから、まことにしあわせです。お礼として和尚さまのお命を、七十五才になる年の七月二十五日までお守りいたします。それまではどんな病気になっても、決して死ぬような事はございませんのでご安心を」
やがて月日が過ぎ、和尚さんは七十五歳の七月二十五日の日をむかえました。
「今日までは、あのニワトリがわしを見守ってくれていたわけか。そう言えば、今までたいした病気にもならずにやってこられた。ニワトリに、礼をいわんといかんな」
和尚さんは間もなく病気になり、一月後の八月二十五日に大往生(だいおうじょう)をとげたという事です。
おしまい
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