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12月4日の日本の昔話
山を持って来る
摎山搬過來
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
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投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
むかしむかし、吉四六さんと言う、とんちの名人がいました。
頭擺頭擺,一個安到吉四六先生个人,伶俐出名。
ある日の事、近所の貧しい家に借金取りがやって来て、
某日,債主來到就近鄰舍窮苦人屋下討錢,講︰
「早く金を返せ!返さなければ、この家を焼き払ってしまうぞ!それとも、お前の娘を借金の代わりにもらおうか!」
と、おどしていました。
「遽兜還錢!若毋還錢,放火摎若屋燒忒哦!抑係愛用若妹仔來堵數!」
嚇佢。
さあ、これを見ていた吉四六さんが、思わず借金取りに言いました。
看著這个吉四六先生,想都無想斯摎討錢个人講︰
「やめろ!この人の借金をただにしてくれるなら、どんな事でもしてやるから」
「好了,毋好再過討,這個人借个錢若係毋使還,麼个事𠊎都做得摎你做。」
するとそれを聞いた借金取りは、ニヤリと笑って言いました。
所以聽著个債主笑咪咪講︰
「ほう、吉四六さんか。
「呵,係吉四六先生無?
これは、面白い。
這,盡生趣。
それなら向こうに見えている山を、この村まで引っ張って来てもらおうか。
若係恁樣,對面該看著个山,摎佢搬到這村莊來做得無?
それが出来たなら、借金をただにしてやるぞ」
假使做得到,該借个錢就毋使還。」
山を持って来るなんて、出来るはずがありません。
摎山搬到這村莊來,係無可能个事。
ところが吉四六さんは、軽く胸を叩いて言いました。
毋過,吉四六先生輕輕拍胸脯,講︰
「よし、わかった。
「好,了解。
お前の言う通りにしてやる。
照你講个做。
だから約束は、守ってもらうぞ」
愛守定約哦。」
それを聞いて、借金取りはあきれました。
聽著該,債主嗄著驚。
「何を馬鹿な事を。いくらとんちの名人でも、そんな事が出来るはず無いだろう」
「濫糝講,毋管幾伶俐个人,乜無法度做得到該種事。」
「いいや、出来るよ」
「毋會,做得到哦。」
「なら、やってもらおう。あとで謝っても、許さんぞ!」
「無該,做看啊,後背正會失禮,該斯做毋得哦!」
「そっちこそ、ちゃんと約束は守ってもらいますよ」
「𠊎乜共樣,聘好个事情,定著愛遵守。」
さて、吉四六さんは村人たちに訳を話して、どの家の軒下にも、あるだけのたき木を積み上げてもらいました。
吉四六先生摎村民說明,喊逐家屋摎屋簷下堆當多个樵分佢。
それから荷車にたき木を山の様に積んで借金取りの家に行き、その軒下にもたき木を積み上げました。
然後,用貨車摎像山恁高个樵,載去討錢个人屋下,堆在厥屋下屋簷下。
すると借金取りが出てきて、怖い顔で吉四六さんに言いました。
債主走出來,面臭臭對吉四六先生講︰
「やいやい。わしが持って来いと言ったのは、山だ。たき木じゃないぞ」
「噯,噯,𠊎聘講搬來个係山,毋係樵哦。」
すると吉四六さんは、たき木を積み上げながら、
所以,吉四六先生一頭疊樵一頭講,
「はい。
「係,
約束通り、山を持って来ますよ。
照聘,愛摎山搬過來,
ですが山を引きずって来るのに、村の家々がじゃまになります。
因為愛摎山搬過來,村莊个屋會礙著,
だからその前に、家をみんな焼き払ってしまうのです」
所以搬山以前,愛摎屋總下燒淨來。」
と、言ったかと思うと、積み上げたたき木に火をつけようとしました。
做出點火个樣仔。
借金取りは、びっくりです。
債主著下驚,
「ま、待ってくれ。この寒い時期に家を焼かれたら、生きて行けないだろう」
「等,等一下,這恁冷个冬下頭,若係摎屋燒忒,大家會無法度過日仔敢。」
「そうです。
「係啊,
あの親子だって、家を焼かれたら生きていけません。
準講係該兩子爺,屋若係燒忒也無法度生活。
どうです?
仰般?
あの人の借金をただにしてくれるのなら、山を持って来るのも、じゃまな家を焼くのもやめますが」
該儕人借个錢若係毋使還,斯毋使摎山般過來、也毋使燒礙著个屋。」
「むっ、むむむ」
「mu,mu mu mu。」
「さあ、どうします?」
「仰般?」
「・・・わかった、わかった。わしの負けだ。山を持って来なくてもいいし、借金もなかった事にしてやろう」
「・・・了解,了解,𠊎輸你了。山毋使搬過來也做得,準無借好了。」
「ありがとうございます」
「承蒙你。」
吉四六さんは、ニッコリ笑いました。
吉四六先生笑咪咪。
それを見た借金取りは、苦笑いで言いました。
看著該个債主苦笑講︰
「やれやれ、吉四六さんと勝負なんかするんじゃなかった」
「算了,算了,本來斯不應該摎吉四六先生打賭。」
おしまい
煞咧
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