今日の江戸小話 福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 12月の江戸小話 > おいしい目薬

12月4日の小話

おいしい目ぐすり

おいしい目薬

♪おはなしをよんでもらう(html5)
朗読 : 青のぷよの世界♪

 むかし、あるお寺の和尚さんが大好物のアワビを手に入れたので、こっそり食べようと包丁(ほうちょう)を取り出しました。
 そこへ近所の人たちが法事をたのみに来たので、和尚さんはあわててアワビを隠そうとしました。
 なぜならむかしのお坊さんは、動物を食べてはいけない事になっていたからです。
 しかし近所の人たちは、和尚さんが隠そうとしたアワビを見つけました。
「和尚さま、この貝は?」
 困った和尚さんは、一生懸命に言い訳をしました。
「いや、その、この貝は、目の薬になると聞いたんじゃ。しかし、目がしらにさしたらよいのか、目じりにさしたらよいのか、わからんのじゃ」
 確かに貝は目に良い食べ物ですが、けれどみんなは和尚さんのうそをお見通しです。
(まったく、このなまぐさ坊主が)
 そこでみんなは和尚さんをこらしめようと、和尚さんに話を合わせました。
「それは、ずいぶんと珍しい目薬ですねえ。ではわたしどもが、さしてやりましょう。和尚さま、まずはあお向けになってください」
 近所の人たちはアワビの切り身にたっぷりとワサビをつけると、和尚さんの目にはり付けました。
 すると和尚さんは、のたうち回って苦しみます。
「ひいーっ! うひょーっ! アワビがしみて、目玉がはれつしそうじゃーっ!」
 そんな和尚さんを横目に、近所の人たちはおいしいアワビのさしみにしたづつみを打ちました。
「おう、うまいうまい。これは上等な目薬だ。しかしこの目薬、目でなく口からさした方が効き目が確かでござるな」

♪ちゃんちゃん
(おしまい)

前のページへ戻る


     12月 4日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
破傷風血清療法の日
きょうの誕生花
山茶花(さざんか)
きょうの誕生日・出来事
1985年 ギャル曽根 (タレント)
恋の誕生日占い
ワフルな自信家で、自分の感じたままに行動します
なぞなぞ小学校
山の下にある石は?
あこがれの職業紹介
弁理士
  12月 4日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
山を持ってくる
きょうの世界昔話
魔法使いと若者
きょうの日本民話
真冬のイチゴ
きょうの日本民話 2
冬の竹の子
きょうのイソップ童話
美しい鳥コンテスト
きょうの江戸小話
おいしい目薬
きょうの百物語
お金を取りに来た幽霊

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ