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8月18日の日本民話 2
送りオオカミ
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むかしむかし、あるところに、伝次(でんじ)という名のおじいさんが住んでいました。
おじいさんは山奥の谷間に、小さな畑を作って耕していました。
でも、せっかく出来た作物は、イノシシがやって来て食べてしまいます。
そこで困ったこまったおじいさんは、イノシシの落ちる大きな落し穴を作ったのです。
次の朝、おじいさんが畑に行くと、落し穴に何か落ちています。
見るとそれはイノシシではなく、大きなオオカミでした。
「ありゃ、落ちたのはイノシシではなくオオカミだったか。オオカミは畑を荒さんからな。これは悪い事をした」
おじいさんは穴の中へ下りると、オオカミを助け出してやりました。
するとオオカミはお礼のつもりなのか、それからはおじいさんが畑から帰るたびに、山道を送ってくれるようになりました。
それから数日後、今度はタヌキが落し穴に落ちていました。
「ありゃ、落ちたのはイノシシではなくタヌキか。イノシシじゃないのなら、助けてやろう」
おじいさんは穴の中へ下りると、タヌキを助け出しましたが、タヌキは助けてくれたおじいさんの手に、ガブリと噛みついてきたのです。
するとおじいさんはとても怒って、タヌキを殺してしまいました。
それを見ていたオオカミが、言いました。
「タヌ公はバカな奴だな、せっかく助けてもらったのに噛みつくなんて。どうせ噛みつくなら、オオカミのおれに噛みつけば良いものを。そうすればタヌ公は、お山の大将になれたのに」
おしまい
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