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福娘童話集 >えとのおはなし >とりのお話 > みにくいアヒルの子

とりのお話 第 5 話

みにくいアヒルの子
イラスト 「荒駒るみ」  運営サイト Rumiの作品置き場 eRu★Art<

みにくいアヒルの子
アンデルセン童話 → アンデルセン童話の詳細

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
あひるのかおあひるのかお 白鳥の折り紙はくちょう

♪音声配信(html5)
音声 : Smile STATION

 むかしむかし、あるところに、おほりに囲まれた古いお屋敷がありました。

みにくいアヒルの子

 そのおほりのしげみの中で、一羽のアヒルのお母さんが巣(す)の中のタマゴをあたためていました。

みにくいアヒルの子

みにくいアヒルの子

 やがてタマゴが一つずつ割れると、中からは黄色い色をしたかわいいひなたちが顔を出します。

みにくいアヒルの子

 ですが、巣の中で一番大きなタマゴだけが、なかなか生まれてきません。

みにくいアヒルの子

 しばらくたって、やっとタマゴを割って出てきたのは、たいそう体の大きなみにくいひなでした。

みにくいアヒルの子

 みにくいアヒルの子はどこへ行ってもいじめられ、つつかれて、かげ口をたたかれます。

みにくいアヒルの子

 はじめのうちはみにくいアヒルの子をかばっていたお母さんも、しまいには、

みにくいアヒルの子

「本当にみにくい子。いっそ、どこか遠い所へ行ってくれたらねえ」
と、ため息をつくようになりました。

みにくいアヒルの子

 それを聞いたみにくいアヒルの子はいたたまれなくなって、みんなの前から逃げ出してしまいました。

みにくいアヒルの子

 あてもなく飛び出しましたが、どこに行ってもきらわれます。

みにくいアヒルの子

 アヒルの子は人目につかない場所を選んで眠り、起きればまた逃げ続けました。

みにくいアヒルの子

 季節はいつの間にか、秋になりました。

みにくいアヒルの子

 そんなある日、みにくいアヒルの子はこれまで見たこともないような、美しいものを目にしました。
 それは、白鳥(はくちょう)のむれでした。

みにくいアヒルの子

 長くしなやかな首をのばし、まぶしいばかりの白いつばさをはばたいて、白鳥たちはあたたかい国へと飛んでいくところでした。
 アヒルの子はあっけにとられて、その美しい烏たちが空のかなたへ去っていくのを見送っていました。

みにくいアヒルの子

「あんな鳥になれたら、どんなにか幸せだろう。
  いや、アヒルの仲間にさえ入れないくせに、そんな事を考えてどうするんだ」

 冬が来て、沼には氷が張りはじめました。

みにくいアヒルの子

 アヒルの子はアシのしげみにじっとうずくまって、きびしい寒さをたえしのびました。

みにくいアヒルの子

 そのうちに、お日さまはしだいにあたたかさをまし、ヒバリが美しい声で歌いはじめます。
 ついに、春が来たのです。

みにくいアヒルの子

 アヒルの子は体がうきうきしはじめると、つばさをはばたいてみました。

みにくいアヒルの子

 すると体が、浮くではありませんか。
「ああ、飛んだ、ぼくは飛べるようになったんだ」

みにくいアヒルの子

 アヒルは夢中ではばたくと、やがておほりにまいおりました。

みにくいアヒルの子

 その時、おほりにいた白鳥たちが、いっせいに近づいてきたのです。

みにくいアヒルの子

「ああ、みにくいぼくを、殺しにきたんだ。
  ぼくは殺されるんだ。
  ・・・でも、かまわない。
  みんなからひどい目にあうより、あの美しい鳥に殺された方が、いくらましだかしれない。
  さあ、ぼくを殺して!」

みにくいアヒルの子

 アヒルの子は、殺されるかくごをきめました。
 しかし、そうではありません。

みにくいアヒルの子

 白鳥たちはアヒルの子の周りに集まると、やさしく口ばしでなでてくれたのです。
 そして白鳥の1羽が、言いました。

みにくいアヒルの子

「はじめまして、かわいい新人さん」

みにくいアヒルの子

「えっ? 新人さん? かわいい? ぼくが?」

みにくいアヒルの子

 ビックリしたアヒルの子は、ふと水の上に目を落とすと、そこにうつっていたのは、もうみにくいアヒルの子ではありません。

みにくいアヒルの子

 まっ白に光りかがやく、あの白鳥だったのです。
 冬の間に羽が抜けかわって、美しい白鳥に姿をかえていたのでした。

みにくいアヒルの子

「あたらしい白鳥が、一番きれいだね」
 みんなの声が、聞こえてきました。

おしまい

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