童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集 福娘童話集 きょうの日本昔話 福娘童話集
 
     3月14日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ホワイトデー
きょうの誕生花
カミツレ(カモミール)
きょうの誕生日・出来事
1948年 五木ひろし (歌手)
  3月14日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
にせものの汽車
きょうの世界昔話
ロバとおじいさん
きょうの日本民話
不思議なサバ売り
きょうのイソップ童話
ミツバチとゼウス
きょうの江戸小話
思いやり
3月14日の広告

福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 3月の日本昔話 > にせものの汽車

3月14日の日本の昔話

にせものの汽車

にせものの汽車

 むかし、まだ汽車(きしゃ)がめずらしかったころのことです。
 いなかの村にも、汽車がはしるようになりました。
 あるばん、きかんしゅがシュッポシュッポと、汽車をはしらせていくと、むこうから、くるはずのない汽車がはしってきます。
「あっ、あぶない!」
 急ブレーキをかけてとまると、ふしぎなことに、あいての汽車はかげもかたちもありません。
 こんなことが何度もあったので、きかんしゅはカンカンです。
 あるばん、きかんしゅは、にせものの汽車があらわれると、ブレーキをかけるどころか、反対にスピードをあげました。
 ドカーン!
 ぶつかりましたが、そのとたん、にせものの汽車はパッときえて、かげもかたちもありません。
 そのばんおそく、薬屋の戸をたたくものがありました。
 みせのひとがでてみると、お寺の小僧さんです。
「和尚(おしょう→詳細)さんがやけどしました。やけどのくすりをわけてください」
「それはおきのどく。どうぞ、おだいじに」
 薬屋はつぎの日、和尚さんをおみまいにいきました。
 すると、和尚さんはピンピンしています。
「なに、わしがやけどをした? それに、うちの寺にはいま、小僧をひとりもおいていない。これはひょっとすると、うらのやぶにすんでいるタヌキかもしれん」
 和尚さんは薬屋と、やぶへまわって、タヌキのあなぐらをのぞきこみました。
 すると、タヌキはやけどをした頭に、せっせとくすりをぬりこんでいます。
「いったい、どうしたんじゃ?」
 和尚さんがきくと、タヌキは、
「汽車がとおるようになって、やぶがけずられて、うるさくてひるねもできません。それで、汽車にばけておどかしていたのですが、ゆうべは汽車のかまどに頭をぶつけて、ごらんのありさまです」
「そうか。にせものの汽車は、おまえだったのか。まあ、やけどくらいですんでよかった。はやくなおして、げんきにおなり」
 和尚さんはそういって、タヌキをなぐさめました。

おしまい

一覧へ移動   このページを閉じる   ホームへ移動

きょうの日本昔話
ミニカレンダー
<<  3月  >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識
- 広 告 -