|
 |
福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 2月の江戸小話 > 女中の脈
2月10日の小話

女中の脈
あるお店に働いている女中(じょちゅう→住み込みのお手伝いさん →詳細)は、なにかにつけて、けんそん(へりくだること)するのでした。
ある日のこと、おくさんがかぜをひき、お医者さまにきてもらいました。
おくさんは、ついでに女中をよび、
「おまえも、気分が悪いといっていたね。お医者さまに脈をみてもらいなさい」
と、いいますと、女中はあわてて、
「いえいえ、めっそうもない。わたしのような女に、脈なんてたいそうなものが、あるものですか」
おしまい
|
 |
|