|  |  | 福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 10月の江戸小話 > おいはぎの用心 10月16日の小話 
 おいはぎの用心  「ちかごろは、ぶっそうでならない。夜など出歩けば、おいはぎにやられるから用心したほうがよいぞ。持ち物すべてを取られて、すっぱだかにされるからな」友だちどうしで、注意しあって別れました。
 その夜おそくなって、先ほどの友だちが、もうひとりの男の家をたずねてきました。
 戸をあけてみますと、すっぱだかの友だちが立っているではありませんか。
 「ほれみろ、夜おそく歩くときは用心しろと、あれほどいったのに。いったい、どこで、おいはぎにやられたのだ」
 と、男がきくと、
 「そうじゃない。用心して、家からはだかできたんだ」
 おしまい       
 
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