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4月5日の日本の昔話
つぼを買う
買盎仔
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六先生个人,係盡樂線。
ある日、吉四六さんのお母さんが吉四六さんに言いました。
有一日,厥姆摎佢講:
「吉四六や、うめぼしを入れるつぼを買って来ておくれ」
「吉四六啊,去摎𠊎買隻張梅仔乾个盎仔轉來。」
「わかった」
「知了!」
吉四六さんが、すぐに出かけようとすると、
吉四六先生黏時想愛出去,
「ちょっとお待ち。あんたはそそっかしいから、つぼを買う前に落ちついてよく調ベてみるのですよ」
「等一下,你這個做事儘儘採採个人啊,買盎仔愛定定仔擇看清楚兜仔。」
「はい、気をつけて買います」
「好!𠊎注意兜買。」
と、吉四六さんは頷いて、家を出ました。
吉四六先生頷下頭就出門。
町へやって来ると、大きな瀬戸物屋(せとものや)がありました。
行到街路看著一坎盡大个缶仔店。
吉四六さんは、中へ入って言いました。
吉四六先生就行落去,講:
「ごめんなさい。つぼを一つ下さい。うめぼしを入れるつぼです」
「失禮,買隻盎仔,愛張梅仔乾用个。」
すると瀬戸物屋のおばさんは、店先で本を読みながら、
缶仔店頭家娘在店仔頭前顧看書,
「いらっしゃい」
と、言っただけで、吉四六さんの方を振り向きもしません。
頭那都無斡轉來就講:「歡迎!」
「つぼなら、そこに並んでいるから見て下さいな」
「盎仔排在該片自家去尋!」
「はい、わかりました」
「好!知了。」
吉四六さんは、店の中を見回しました。
吉四六先生在該尋到捩捩轉,
なるほどそこには、つぼがたくさん並べてあります。
最尾尋著當多盎仔排等个位所,
でも、どのつぼも口を下にして、底の方を上にしています。
毋過,逐隻盎仔嘴向往下,盎仔底向往上,
それを見ると吉四六さんは、不思議そうに首を傾げて、
吉四六先生看著該,感覺當奇怪就頭側側,講:
「おばさん、ここにあるつぼは、みんな口のないつぼですね」
と、言いました。
「頭家娘,你店仔个盎仔全部無嘴呢?」
おばさんは、本を読みながら言いました。
頭家娘緊看書緊應講:
「ひっくり返してごらんなさいよ」
「貶轉來看啦!」
吉四六さんは言われた通りに、つぼをひっくり返してみました。
吉四六先生照佢講个做,摎盎貶轉來看。
すると今度は、もっとビックリした様な顔になって、
毋過,這下面色還較著驚樣,講:
「あれれ?底に穴が開いている。このつぼは口がなくて、おまけに底もないつぼだ」
と、言いました。
「該?底開孔。這盎仔毋單淨無嘴又無底。」
吉四六さんは、つぼの口と底とを間違えたのですが、それに気がつきません。
吉四六先生摎盎仔嘴、底揻毋著,自家無注意著。
「ここのつぼは、みんな駄目だ」
「這位个盎仔全部恁毋好!」
吉四六さんはそう言うと、そのまま店を飛び出して家へ帰って来ました。
吉四六先生恁樣講以後,瀉轉屋下去。
「お母さん、瀬戸物屋へ行きましたが、駄目なつぼばかりなので買って来ませんでしたよ」
「阿姆,𠊎去過缶仔店,全部用毋得,所以毋敢買轉來。」
「おや?なぜ駄目だったの?」
「啊!仰會用毋得?」
「はい。どのつぼもみんな、口も底もない物ばかりだったのですよ。あんなつぼを作った人は、よっぽどの慌て者ですね」
「逐隻都無嘴無底,做恁樣个盎仔个人拗蠻仔魯夫。」
おしまい
煞咧
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