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4月28日の日本の昔話
力太郎
力太郎
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
日本語(Japanese) 英語(English) 日本語(Japanese)&英語(English)
むかしむかし、あるところに、お風呂に入った事のない、おじいさんとおばあさんがいました。
頭擺頭擺,某一隻位所,戴一對從來毋識洗身个老阿公摎老阿婆。
おじいさんとおばあさんには、子どもがいません。
兩公婆無子無女。
ある日の事、おじいさんとおばあさんは、初めてお風呂に入りました。
有一日,兩公婆第一擺洗身。
すると、アカの出ること出ること。
過後,緊搓㿸、緊搓㿸。
あんまりたくさんのアカがたまったので、おばあさんはこれで赤ちゃんの人形を作りました。
搓出盡多㿸,老阿婆就用這做嬰兒仔个人公仔。
「ああ、この子が、本当の人間だったらいいのに」
「啊!這個嬰兒仔若係正經个人毋知幾好!」
おばあさんがそう言うと、不思議な事にアカで出来た人形が動き出して、人間の赤ちゃんになってしまったのです。
老阿婆恁樣講个時節,奇怪个事情發生了,用㿸做个人公仔開始停動,變做正經个嬰兒仔。
「ありがたい、ありがたい。これは、神さまが授けてくださった子だ」
「承蒙!承蒙!這係神明送分𠊎个嬰兒仔。」
おじいさんとおばあさんは喜んで、この赤ちゃんを『力太郎』と名付けて大切に育てる事にしました。
老阿公摎老阿婆暢到會死,摎嬰兒仔安名安到『力太郎』,用心撫養。
さてこの力太郎、赤ちゃんなのに大変な大食らいで、ご飯を食べさせれば食ベた分だけ大きくなりました。
這個力大郎雖然係嬰兒仔,毋過盡會食,分佢幾多斯食幾多,越食越多。
そして十五才の頃は、名前の様に村一番の力持ちに育ちました。
所以十五歲左右就摎厥名仔共樣,在村中第一有力。
この頃、おじいさんおばあさんはとても年を取ってしまったのであまり働く事が出来ず、力太郎に腹一杯のご飯を食ベさせてやる事が出来なくなりました。
這量時,老阿公、老阿婆老了,無辦法做事,無辦法分力太郎食飽飯。
「どうしたものか」
「仰結煞好哪?」
おじいさんとおばあさんが悩んでいると、力太郎が言いました。
老阿伯摎老阿婆愁勞博激个時節,力太郎就講:
「おらは、旅に出る。だから、百貫目(ひゃくかんめ→約375㎏)の鉄の棒をつくってくれ」
「𠊎愛出來去旅行,所以做支百貫重(差毋多375公斤重)个鐵棍分𠊎。」
おじいさんが百貫の棒をつくってやると、力太郎はそれをブンブン振り回して旅に出ました。
等老阿伯摎老阿婆做好百貫鐵棍後,力太郎就拿等捩到嗡嗡滾,出去旅行。
しばらく行くと、大男が岩をげんこつで砕いて人を集めています。
行一站仔,看到有一大群人擠在該看一個大力士用拳頭嫲打爛大石牯。
「わはははははっ、おれは天下一の力持ちだ。どうだ、おれと力比べをする者はいないか」
「哇哈哈!𠊎係天下最有力个人,仰般,無人敢出來摎𠊎比看麼人較大力!」
それを聞いた力太郎は、岩割り男に力比ベを申し出ました。
力太郎聽著就講愛摎用拳頭嫲打爛大石牯个大力士比。
「おらの鉄棒を三回半振り回せたら、お前の子分になろう。どうだ?」
「你若係摎𠊎个鐵棍捩三輪半,𠊎就做你个脚仔,仰般?」
「いいだろう。出来なければ、おれがお前の子分になってやる」
「做得啊!捩無三輪半𠊎就做你个脚仔。」
岩割り男は鼻で笑って鉄棒を手に取りましたが、力太郎の鉄棒はとても重くて、どんなに頑張っても一振り半しか回せません。
用拳頭嫲打爛大石牯个大力士用鼻空出聲笑,用手去擎鐵棍,毋過力太郎个鐵棍特別重,不管佢仰般出力就無辦法捩一輪半。
そこで石割り男は、力太郎の子分になりました。
所以佢就變力太郎个脚仔。
二人が旅を続けていると、お堂を背中に背負っている男に出会いました。
二儕繼續去旅行,堵著背囊背等一間廟个男仔人。
「おれは天下一の力持ちだ。おれと力比べをする者はいないか」
「𠊎係天下最有力个人,仰般,無人敢出來摎𠊎比看麼人較大力!」
力太郎は、この男にも力比べを申し出ました。
力太郎乜講愛摎佢比。
「おらの鉄棒を三回半振り回したら、お前の子分になるぞ」
「你若係摎𠊎个鐵棍捩三輪半𠊎就做你个脚仔。」
「はん。そんな事、たわいもないわ」
「han53!該種事情,廢話少講!」
お堂を背負っている男は、鼻で笑って鉄棒を手に取りましたが、どんなに頑張っても、二振り半しか回せません。
背囊背等一間廟个男仔人,用鼻空出聲笑,用手去擎鐵棍,不管佢仰般出力都無辦法捩二輪半。
そこでこの男も、力太郎の子分になりました。
所以佢就變力太郎个脚仔。
三人がしばらく行くと、人影のない村で娘が一人で泣いていました。
三儕人繼續去旅行,行一下仔,在連人影都看無著个村莊看著一个細妹人在該噭。
「どうした? 何かあったのか?」
「仰般,有麽个事情係無?」
力太郎が尋ねると、娘が泣きながら答えました。
力太郎問佢,就噭等應講:
「実はこの村には、毎晩化け物がやって来て、村人を一人ずつ飲み込んでしまうのです。村のみんなは化け物に飲み込まれてしまい、残ったのはわたし一人なのです」
「事實這村莊逐暗有妖怪會出來,摎村民一個一個食忒,全村人分佢食淨淨斯伸𠊎一儕。」
「なんだ。化け物くらい、おらたちがやっつけてやる」
「仰般。妖怪定定,𠊎兜來收拾佢!」
力太郎はそう言うと、娘にたくさんのおにぎりを作らせて、それをパクパクと食べながら化け物が現れるのを待ちました。
力太郎講煞後,就喊細妹仔做兜飯糰來食,一片食一片等妖怪出現。
夜中になって現れたのは、家よりも大きなウシガエルです。
到半夜,出來一隻比屋較大个蛤蟆。
「まずは、おれがやってやろう」
「𠊎先來!」
はじめに岩割り男が立ち向かいましたが、ウシガエルの化け物は大きな口を開けると、岩割り男をパクリと飲み込んでしまいました。
打爛大石牯个男仔人企出來,蛤蟆妖怪擘嘴大大,一口摎佢吞落肚。
「今度は、おれだ」
「這下換𠊎來!」
次にお堂男が飛び出しましたが、お堂男もパクリと飲み込まれてしまいました。
續下來,背等一間廟个男仔人跳出來,乜共樣,一口斯分佢吞落肚。
「よし、最後はおらが相手だ!百貫目の鉄棒を受けてみろ!」
「好!最尾輪著𠊎了,試看百貫重个鐵棍仔!」
力太郎は鉄棒をブンブンと振り回すと、ウシガエルの化け物の頭に鉄棒を振り下ろしました。
これにはさすがの化け物もたまらず、白目をむいてひっくり返りました。
力大郎擎等鐵棍捩盡穀,對蛤蟆妖怪个頭那打落去。連麼个妖怪乜當毋著,肚屎朝天、目珠貶白。
力太郎はひっくり返った化け物の腹の上に飛び乗ると、腹をドンドンと踏みつけました。
力太郎跳到挺挺昂橫等个怪物肚屎頂,像跺鹹菜樣緊跺。
すると化け物の口から、これまで飲んだ人たちが次々と飛び出してきたのです。
過後在妖怪个嘴嘔出頭過吞落去个村民。
こうして化け物をやっつけた力太郎は娘を嫁にもらうと、おじいさんとおばあさんを山奥から呼び寄せて、村人たちがお礼にと運んで来るご飯をたらふく食べながら幸せに暮らしたということです。
力太郎打贏妖怪以後,討該細妹仔做餔娘,老阿公、老阿婆請出來共下戴,食村民送禮送个飯,過等幸福个日仔。
おしまい
煞咧
おまけ
ささらとゆっくり昔話 第07話【力太郎】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
おまけ
ささらと昔話講座 第07話【力太郎】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。
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