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力太郎
力太郎
翻訳者:中国廣東省恵州学院 陳怡彤
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
日本語(Japanese) 英語(English) 日本語(Japanese)&英語(English)
むかしむかし、あるところに、お風呂に入った事のない、おじいさんとおばあさんがいました。
很久很久以前,在某个地方,有一对从来没有洗过澡的爷爷和奶奶。
おじいさんとおばあさんには、子どもがいません。
爷爷和奶奶没有孩子。
ある日の事、おじいさんとおばあさんは、初めてお風呂に入りました。
有一天,爷爷和奶奶,第一次洗澡。
すると、アカの出ること出ること。
这时候,污垢就一直出来一直出来。
あんまりたくさんのアカがたまったので、おばあさんはこれで赤ちゃんの人形を作りました。
因为实在是积了太多的污垢了,奶奶就用污垢做成了婴儿的人偶。
「ああ、この子が、本当の人間だったらいいのに」
“啊,这个孩子,要是真的人就好了”
おばあさんがそう言うと、不思議な事にアカで出来た人形が動き出して、人間の赤ちゃんになってしまったのです。
奶奶那样说完,不可思议的事情发生了,用泥垢做的人偶开始动起来,变成了人类的婴儿。
「ありがたい、ありがたい。これは、神さまが授けてくださった子だ」
“谢谢,谢谢。这是神赐予的孩子啊”
おじいさんとおばあさんは喜んで、この赤ちゃんを『力太郎』と名付けて大切に育てる事にしました。
爷爷和奶奶很高兴,给这个婴儿取名为‘力太郎’之后非常重视地养育他。
さてこの力太郎、赤ちゃんなのに大変な大食らいで、ご飯を食べさせれば食ベた分だけ大きくなりました。
然而这个力太郎虽然只是个婴儿却是个大胃王,给多少就吃多少,还越吃胃口越大。
そして十五才の頃は、名前の様に村一番の力持ちに育ちました。
然后,大概十五岁的时候,(力太郎)像他的名字一样成了村里第一的大力士。
この頃、おじいさんおばあさんはとても年を取ってしまったのであまり働く事が出来ず、力太郎に腹一杯のご飯を食ベさせてやる事が出来なくなりました。
这个时候,爷爷奶奶很老了,所以不太能工作了,连让力太郎吃饱饭的事情也做不了了。
「どうしたものか」
“怎么了吗?”
おじいさんとおばあさんが悩んでいると、力太郎が言いました。
看到爷爷和奶奶烦恼,力太郎说。
「おらは、旅に出る。
だから、百貫目(ひゃくかんめ→約375㎏)の鉄の棒をつくってくれ」
“我出去旅行。
所以,为我做一根百贯重的(約375㎏)的铁棍吧”
おじいさんが百貫の棒をつくってやると、力太郎はそれをブンブン振り回して旅に出ました。
爷爷一做好百贯重的(約375㎏)铁棍,力太郎就嗡嗡地挥舞着出去旅行了。
しばらく行くと、大男が岩をげんこつで砕いて人を集めています。
走了一会儿,看见人们都聚集起来,有一个大块头的男人用拳头打碎了岩石。
「わはははははっ、おれは天下一の力持ちだ。どうだ、おれと力比べをする者はいないか」
“哈哈哈哈哈,我是天下第一的大力士。怎么样,难道没有和我比力气的人了吗?”
それを聞いた力太郎は、岩割り男に力比ベを申し出ました。
听了那个的力太郎提出了和击碎岩石的男人比力气。
「おらの鉄棒を三回半振り回せたら、お前の子分になろう。どうだ?」
“如果可以把我的铁棍挥动三次半的话,我就做你的手下。怎么样?”
「いいだろう。出来なければ、おれがお前の子分になってやる」
“好吧。如果不行的话,我会做你的手下”
岩割り男は鼻で笑って鉄棒を手に取りましたが、力太郎の鉄棒はとても重くて、どんなに頑張っても一振り半しか回せません。
击碎岩石的男人嘲笑地用手拿起铁棍,但是力太郎的铁棍很重,不管怎么努力都只能挥动一次半。
そこで石割り男は、力太郎の子分になりました。
因此击碎岩石的男人成了力太郎的小弟。
二人が旅を続けていると、お堂を背中に背負っている男に出会いました。
两个人继续旅行,见到了一个背着佛堂的男人。
「おれは天下一の力持ちだ。おれと力比べをする者はいないか」
“我是天下第一的大力士。难道没有和我比力气的人了吗?”
力太郎は、この男にも力比べを申し出ました。
力太郎也提出了和这个男人比力气。
「おらの鉄棒を三回半振り回したら、お前の子分になるぞ」
“如果可以把我的铁棍挥动三次半的话,我就做你的手下哦”
「はん。そんな事、たわいもないわ」
“哈。(提出)那样的事真是天真”
お堂を背負っている男は、鼻で笑って鉄棒を手に取りましたが、どんなに頑張っても、二振り半しか回せません。
背着佛堂的男人嘲笑地用手拿起铁棍,但是不管怎么努力都只能挥动两次半。
そこでこの男も、力太郎の子分になりました。
于是这个男人也成了力太郎的小弟。
三人がしばらく行くと、人影のない村で娘が一人で泣いていました。
三个人走了一段时间,看见了一个女孩在没有人的村子里哭泣。
「どうした? 何かあったのか?」
“怎么了?有什么事吗?”
力太郎が尋ねると、娘が泣きながら答えました。
力太郎一询问,姑娘就边哭边回答。
「実はこの村には、毎晩化け物がやって来て、村人を一人ずつ飲み込んでしまうのです。村のみんなは化け物に飲み込まれてしまい、残ったのはわたし一人なのです」
“其实这个村子里,每天晚上妖怪都过来,将村里的人一个一个地吞下去。村里的人们都被妖怪吞掉了,剩下的只有我一个人。”
「なんだ。化け物くらい、おらたちがやっつけてやる」
“什么。只是妖怪而已,我们来干掉”
力太郎はそう言うと、娘にたくさんのおにぎりを作らせて、それをパクパクと食べながら化け物が現れるのを待ちました。
力太郎那样说完,拜托少女做了很多手握饭团,然后大口大口地边吃边等怪物出现。
夜中になって現れたのは、家よりも大きなウシガエルです。
到了半夜,出现了比房子还大的牛蛙。
「まずは、おれがやってやろう」
“首先,让我来”
はじめに岩割り男が立ち向かいましたが、ウシガエルの化け物は大きな口を開けると、岩割り男をパクリと飲み込んでしまいました。
一开始,击碎岩石的男人(和牛蛙)打斗起来了,但是牛蛙妖怪张开大嘴,啪的一下就把击碎岩石的男人给吞了。
「今度は、おれだ」
“这次让我来!”
次にお堂男が飛び出しましたが、お堂男もパクリと飲み込まれてしまいました。
接下来,背着佛堂的男人飞出去了,但是背着佛堂的男人也啪的一下被吞了。
「よし、最後はおらが相手だ! 百貫目の鉄棒を受けてみろ!」
“好,最后是我来做你的对手。试试来接着百贯重的(約375㎏)铁棍吧”
力太郎は鉄棒をブンブンと振り回すと、ウシガエルの化け物の頭に鉄棒を振り下ろしました。
力太郎嗡嗡地挥动铁棍,向着牛蛙妖怪的头上挥舞落了下来。
これにはさすがの化け物もたまらず、白目をむいてひっくり返りました。
这个(指約375㎏的铁棍)是连妖怪也受不了啊,翻了白眼倒下了。
力太郎はひっくり返った化け物の腹の上に飛び乗ると、腹をドンドンと踏みつけました。
力太郎跳上翻倒在地的妖怪的肚子上,对着肚子咚咚地踩了下去。
すると化け物の口から、これまで飲んだ人たちが次々と飛び出してきたのです。
这时候,从妖怪的嘴,不断地跳出了到现在为止被吞掉的人。
こうして化け物をやっつけた力太郎は娘を嫁にもらうと、おじいさんとおばあさんを山奥から呼び寄せて、村人たちがお礼にと運んで来るご飯をたらふく食べながら幸せに暮らしたということです。
就这样,打败了怪物的力太郎娶了少女做新娘,把在深山里爷爷和奶奶叫了过来,大口地吃着村民们作为谢礼运来的米饭,过着幸福的生活。
おしまい
完
おまけ
ささらとゆっくり昔話 第07話【力太郎】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
おまけ
ささらと昔話講座 第07話【力太郎】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。
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