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6月5日の日本の昔話
吉四六の天昇り
吉四六先生升天
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六先生个人,非常樂線。
ある日の事。吉四六さんは村に、奇妙な立て札を立てました。
一日,吉四六先生在村莊插一隻奇怪个告示牌。
《明日の正午、田にて、吉四六が天昇りをいたします》
《韶早當晝在田肚,吉四六會在該位升天》
さあ、それを知った村人たちは大騒ぎです。
這下,知這事情个村民傳到鬧熱煎煎。
「おい聞いたか?あの吉四六さんが、天昇りをするそうだぞ」
「噯,有聽講無?吉四六先生愛升天。」
「まさか、いくら吉四六さんでも、天に昇ることなんか」
「敢講,吉四六先生,也會升天嘎?」
「いいや、吉四六さんなら、本当にやりかねんぞ」
「毋係,若係吉四六先生,無可能做得到哦。」
そして、いよいよ次の日。
第二日。
吉四六さんの田に、村中の人が集まって来ました。
村莊肚个人來到吉四六先生个田。
するとそこへ現れた吉四六さんが、村人たちにこう言いました。
出現在田个吉四六先生个摎村民講:
「みなさん。わたしもいよいよ、天に昇る事になりました。
「大家好,𠊎總算愛升天了。
つきましては、お願いがござります。
有件事情拜託大家,
天へは、このはしごを伝わって昇りますので、誰か下で押さえていて下さい。
升天愛用著這支梯仔,有麼人在下背扶等。
それからわたしも最後は賑やかに行きたいので、他の方々は下で踊(おど)りながら、『天昇りは危ないぞ』と、言って下さい。
另外,𠊎我蹶个時節想愛鬧熱,大家歡喜大聲噦嘶,其他个人在下背跳舞,講:『升天當危險哦。』
それではみなさま、どうかおたっしゃで」
祝大家身體康健。」
こうして吉四六さんは、少しずつはしごを登って行きました。
過後,吉四六先生一碫一碫慢慢蹶梯仔。
下では村人が、天を見上げながら、
下背个村民,臥頭看天頂,
「天昇りは、危ないぞ。天昇りは、危ないぞ」
と、言いながら、田の中を踊りまわります。
緊噦嘶『升天當危險哦,升天當危險哦。』
緊在田肚跳來跳去。
吉四六さんは、はしごのてっぺんから下の様子を見ていましたが、やがてどうしたわけか、スルスルと下りて来て、みんなに向かってこう言いました。
吉四六先生在梯仔頂背看往下,無幾久後又發生麼个事情呢?佢斯溜等下,對所有个人講:
「せっかく決心して登りましたが、こうみんなに『危ない、危ない』と言われると、やっぱり恐ろしくなりました。そんな訳で、今回は止めにします」
「𠊎本旦決心愛蹶上去,但係所有人都講:『當危險,當危險。』,感覺當得人驚,因為這所以這回斯算了。」
「はあ?・・・・・・」
「ha24?...」
それを聞いた村人たちは、しばらくあっけにとられていましたが、急に馬鹿馬鹿しくなって家に帰って行きました。
聽著該个村民目盯盯嘴擘擘一站時間,黏時試著恁戇分人片著,斯轉去屋下了。
そして一人残された吉四六さんは、しめしめとばかりに十分にならされた田をながめて、
伸著一個人个吉四六先生,看著分人躙到禯交交个田,就講:
「よし、これで今年は、田を耕さなくてもいいな」
と、ニッコリ笑いました。
「好了,𠊎今年毋使犁田囉。」
吉四六さんは村人たちに踊りを踊らせて、自分の田を耕したのでした。
笑咪咪,吉四六先生喊村民跳舞躙,摎佢犁田。
おしまい
煞咧
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