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11月3日の日本の昔話


イラスト　「荒駒るみ」　　運営サイト　Ｒｕｍｉの作品置き場　ｅＲｕ★Ａｒｔ<

尻尾のつり
尾巴钓鱼

翻訳者 河南省　周口師範学院 劉慧莹
翻訳指導　水口友代

日本語(日语) ・ 英語(英文) ・ 中国語(中文)

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　むかしむかしの、ある冬の事です。
　这是一个很久以前冬天的故事。

　森には木の実がなくなってしまい、サルはお腹がペコペコでした。
　森林里树上的果子都没有了，猴子肚子饿了。

　ところが川に住むカワウソは、毎日おいしそうな魚をお腹一杯食べています。
　可是住在河里的水獭每天都吃着美味的鱼。

　そこでサルは、カワウソに聞きました。
　于是猴子问水獭：

「カワウソくん。どうしたら、そんなに魚が捕れるんだい？」
“水獭先生，怎么能捕到那么多鱼呢？”

　するとカワウソは、こう言いました。
　于是水獭是这么说的：

「そんなの簡単さ。
“抓鱼那么容易，

　川の氷に穴を開けて、尻尾を入れるだろう。
　在河里的冰上凿个洞，把尾巴伸进去吧。

　それから動かずに、じっと待つんだ。
　然后不要动，一直等着。

　すると魚が、尻尾をえさと間違えて食らいつく。
　于是鱼就会错把尾巴当成饵料来吃。

　それをぐいっと、釣り上げるんだ」
　尾巴一使劲，就把鱼钓上来了。”

「へぇー。ぼくもやってみよう」
“诶~，我也试试看”

　サルはさっそく川へ出かけると、カチカチにこおった氷に穴を開けて尻尾をたらしました。
　猴子立刻去河边，在硬梆梆的冰面上开了一个洞，然后放下尾巴。

「うひゃあー、冷たーい！」
“哇啊~，冷啊！”

　尻尾がとっても冷たかったけれど、サルは動かずにじっとがまんをしました。
　虽然它的尾巴很冷，但猴子一动不动地忍耐着。

「待つんだ、待つんだ。もうすぐ、魚が食べられるぞー」
“等着吧、等着吧。马上就可以吃鱼啦”

　しかし魚は、なかなか尻尾に食いつきません。
　但是鱼怎么也没有咬住尾巴。

　そのうちサルは、ウトウトといねむりをしてしまいました。
　不久猴子迷迷糊糊地打起盹儿来了。

　サルがふと気がつくと尻尾がこおりついてしまい、少しも動かす事が出来ません。
　猴子突然醒过来尾巴被冻住了，一点儿也不能动。

　しかしサルは、それを大きな魚が釣れたと勘違いをして、大喜びで尻尾を引っ張りました。
　但是猴子误以为自己钓到了一条大鱼、高兴得拉扯尾巴。

「うーん、重たいな。こいつは、よほど大きな魚に違いないぞ」
“嗯……、好重啊。这个东西、一定是很大的鱼吧”

　サルは顔を真っ赤にして、力まかせに尻尾を引っ張りました。
　猴子满脸通红、使劲地扯尾巴。

「うーん、うーん、うーん」
“嗯……、嗯……、嗯……”

　そして・・・。
　然后・・・

　ブチン！！
　嘶！！

　あまりにも尻尾を力一杯引っ張った為に、サルの尻尾は途中でちぎれてしまいました。
　因为过于用力拉扯尾巴、猴子的尾巴在中途断裂了。

　サルの顔が赤くて尻尾が短いのは、こういうわけだそうです。
　猴子的脸是红的尾巴是短的、就是这样。

おしまい
結束

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イラスト　龍之進　　三絶堂