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1月10日の百物語

雪女
イラスト 「夢宮 愛」  運営サイト 「夢見る小さな部屋」

雪女
Snježna dama

日本語(japanski)  ・英語(engleski)   ・中国語(kineski) ・クロアチア語(hrvatski)

japanski&engleski ・japanski&kineski ・japanski&hrvatski

※クロアチア語は、Marina Bresic(Zagreb University)さんが日本語講師の指導のもと翻訳を行いました。

♪音声配信(html5)
朗読者 : Smile STATION

 むかしむかしの、寒い寒い北国でのお話です。
 Ovo je priča iz davnine s ledeno hladnog sjevera zemlje.

雪女

 あるところに、茂作(しげさく)とおの吉という、木こりの親子が住んでいました。
 Ondje su živjeli drvosječe, otac i sin po imenu Shigesaku i Ono Kichi.

雪女

雪女

 この親子、山がすっぽり雪に包まれる頃になると、鉄砲を持って猟に出かけて行くのです。
 U danima kada bi planinu potpuno zameo snijeg, otac i sin noseći puške odlazili bi u lov.

雪女

 ある日の事、親子はいつもの様に雪山へ入って行きましたが、
 Toga dana, kao i obično, otac i sin se uputiše prema snježnoj planini,

雪女

 いつの間にか空は黒雲におおわれて、吹雪(ふぶき)となりました。
 ali odjednom su nebo prekrili crni oblaci te je počela mećava.

雪女

 二人は何とか、木こり小屋を見つけました。
 Dvojac je nekako uspio pronaći kolibicu namijenjenu drvosječama.

「今夜はここで泊まるより、仕方あるめえ」
-Ne preostaje nam ništa drugo, nego da ovdje provedemo noć.

「うんだなあ」
-Pravo zboriš.

雪女

 チロチロと燃えるいろりの火にあたりながら、二人は昼間の疲れからか、すぐに眠り込んでしまいました。
 Sjedeći pred svjetlucavim plamenom kamina, dvojac je ubrzo zaspao od popodnevnog umora.

雪女

 風の勢いで戸がガタンと開き、雪が舞い込んできます。
 Vrata su se otvorila od siline vjetra i dolepršao je snijeg.

雪女

 そして、いろりの火が、フッと消えました。
 Na kraju se ugasila i vatra u kaminu.

雪女

「う~、寒い」
-Uh, kako je hladno!

雪女

 あまりの寒さに目を覚ましたおの吉は、その時、人影を見たのです。
 U tom je trenutku Ono Kichi, koji ne pamti ovakve hladnoće, ugledao obris čovjeka.

「誰じゃ? そこにおるのは?」
-Tko je tamo?

雪女

 そこに姿を現したのは、若く美しい女の人でした。
 Pojava što tamo stajaše bila je lijepa mlada žena.

雪女

「雪女!」
-Snježna dama!

 雪女は、ねむっている茂作のそばに立つと、口から白い息を吐きました。
 Stajala je pored usnulog Shigesakua, a iz usta joj je izlazio bijeli dah.

雪女

 茂作の顔に白い息がかかると、茂作の体はだんだんと白く変わっていきます。
 Kada je Shigesakuu upuhala bijeli dah, njegovo je tijelo postupno mijenjalo boju u bijelu,

雪女

 そしてねむったまま、しずかに息をひきとってしまいました。
 sve dok nije mirno u snu ispustio svoj zadnji dah.

雪女

 雪女は、今度はおの吉の方へと近づいてきます。
 Zatim se Snježna dama približila Ono Kichiju.

雪女

「たっ、助けてくれー!」
- Upo… Upomoć!

 必死で逃げようとするおの吉に、なぜか雪女はやさしく言いました。
 Ono Kichiju, koji je očajnički pokušao pobjeći, Snježna dama iz nekog razloga nježno je rekla:

雪女

「そなたはまだ若々しく、命が輝いています。
- Ti si još uvijek mlad i život ti je u punom jeku.

 望み通り、助けてあげましょう。
 Pustit ću te kako si me zamolio.

 でも、今夜の事を、もしも誰かに話したら、その時は、そなたの美しい命は終わってしまいましょう」
 No progovoriš li bilo komu o večerašnjem događaju, tvoj će divni život završiti.

 そう言うと雪女は、降りしきる雪の中に、吸い込まれる様に消えてしまいました。
 Izgovorivši to, nestala je u snježnoj mećavi kao usisana.

 おの吉は、そのまま気を失ってしまいました。
 Ono Kichi u tom je trenutku izgubio svijest.

雪女

 やがて朝になり、目が覚めたおの吉は、父の茂作が凍え死んでいるのを見つけたのです。
 Već se bila spustila večer kada je Ono Kichi povratio svijest te pronašao svog nasmrt promrzlog oca.

 それから、一年がたちました。
 Od toga prođe godina dana.

雪女

 ある大雨の日。
 Jednog kišnog

雪女

 おの吉の家の前に、一人の女の人が立っていました。
 dana pred kućom Ono Kichija ukazala se žena.

雪女

「雨で、困っておいでじゃろう」
- Nemoj stajati na kiši –

 気立てのいいおの吉は、女の人を家に入れてやりました。
 reče dobrodušni Ono Kichi i uvede ženu u kuću.

雪女

 女の人は、お雪という名でした。
 Ženino ime bilo je Oyuki .

雪女

 おの吉とお雪は夫婦になり、可愛い子どもにもめぐまれて、それはそれは幸せでした。
 Ubrzo su postali supružnici blagoslovljeni jednim djetetom. To je bila prava sreća!

雪女

 けれど、ちょっと心配なのは、暑い日差しを受けると、お雪はフラフラと倒れてしまうのです。
 No ono što je izazivalo zabrinutost bilo je zatopljenje zbog kojeg je Oyuki bila nestabilna te je padala.

雪女

 でも、やさしいおの吉は、そんなお雪をしっかり助けて仲良く暮らしていました。
 Unatoč tomu nježni Ono Kichi bio je Oyuki podrška te su zajedno živjeli u slozi.

雪女

 そんなある日、針仕事をしているお雪の横顔を見て、
 Jednoga dana, gledajući Oyukin profil dok je šila,

雪女

 おの吉は、ふっと遠い日の事を思い出したのです。
 Ono Kichiju se odjednom vrati sjećanje na događaj iz davnih dana.

雪女

「のう、お雪。
- Oyuki,

 わしは以前に、お前の様に美しいおなごを見た事がある。
 jednom davno sreo sam ljepoticu poput tebe.

 お前と、そっくりじゃった。
 Ista ti.

 山で、吹雪にあっての。
 Sreo sam ju u planini za vrijeme mećave.

 その時じゃ、あれは確か、雪女」
 To je, bez sumnje, bila Snježna dama.

雪女

 すると突然、お雪が悲しそうに言いました。
 Ona odjednom tužno reče:

雪女

「あなた、とうとう話してしまったのね。あれほど、約束したのに」
- Na kraju si ipak progovorio. Iako si čvrsto obećao da nećeš.

「どうしたんだ、お雪!」
- Što se dogodilo, Oyuki?!

 お雪の着物は、いつの間にか白く変わっています。
 Odjednom je Oyukin kimono promijenio boju u bijelu.

 雪女であるお雪は、あの夜の事を話されてしまったので、もう人間でいる事が出来ないのです。
 Budući da su događaji od te večeri bili ispričani, Oyuki, koja je bila Snježna dama, više nije mogla biti ljudsko biće.

雪女

「あなたの事は、いつまでも忘れません。 とても、幸せでした。
- Doista sam bila sretna. Nikad te neću zaboraviti.

雪女

 子どもを、お願いしますよ。
 Daj mi dijete.

 では、さようなら」
 Pa… Zbogom!

雪女

 その時、戸がバタンと開いて、冷たい風が吹き込んできました。
 U tom trenutku vrata se otvoriše uz glasan udarac i hladan vjetar ispuni prostoriju.

雪女

 そして、お雪の姿は消えたのです。
 A zatim nestade njezina lika.

おしまい
Kraj

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