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1月14日の百物語
(1月14日的日本鬼故事)
谷ぞこのわらい声

佐野の舟はし
佐野的船橋

日本語 ・日本語&中国語

むかしむかしの平安の頃、上野国群馬郡(かずさくるまのこおり)は佐野(さの)というところに、烏川(からすがわ)をはさんで東に朝日の長者、西に夕日の長者と呼ばれる長者がいました。
到好久以前、平安時代、上野國群馬郡有一條喊佐野的地方、中間擱到一條喊鳥川的河、河東有個朝陽地主、河西有個夕陽地主。

この二人の長者は、とても仲が悪かったそうです。
這兩條地主關係好差。

さて、朝日の長者には那美(なみ)という娘がいて、夕日の長者には小治郎(こじろう)という息子がいました。
朝陽有個女喊那美、夕陽有條兒喊小治郎。

ある時、二人は烏川のほとりで出会い、そしてお互いに一目ぼれをしました。
那天這兩條又剛好到鳥川河岸邊碰到、這就都曉得自己喜歡甚麼了。

朝日の長者側の佐野の里人と、夕日の長者側の片岡の里人は、間を流れる烏川に舟橋(ふなはし→多くの船をならべて作った橋)をかけて往来しています。
朝陽這邊佐野的鄉人想要到對面片岡那邊去、也就是夕陽那邊、或是反過來、就要經過鳥川河、中間用好多船搭成了橋用於往來。

しかし夜は橋を渡る者はなく、那美と小治郎は時をしめし合わせては、この舟橋の上で会っていたのです。
一到大晚上這條橋上就開始米甚麼人了、那美和小治郎就約好時間、二條人就到橋上碰面。

ある日の事、息子の不審な行動に気がついた夕日の長者は、恋の相手が向こう岸の長者の娘であると知ると、小治郎を一歩も外に出られない様にしてしまいました。
有天夕陽地主發現自己兒最近動向不是好正常、當他曉得自己兒是跟對岸的夕陽他屋女搞到一起的時候、他就幫門打反鎖幫自己兒關到屋裡頭、不讓他出去了

閉じ込められた小治郎は、父親に言いました。
他屋兒一被關、就開始教他爹做事了。

「両家の仲たがいの、元々財力の競合い。
我們兩條屋關係不好、就是因為喜歡比那個屋錢多。

里人たちは、そんな両家を笑っております。
實際上村上人都到幫我們當笑話看。

わたしと那美どのが結ばれれば、両家のしこりも解けるではありませんか」
我和那美幫婚一結、這就甚麼事都沒得了。

「ええい、生意気を言うな!」
啊?你是到教我做事嗎?

夕日の長者は、小治郎を外に出そうとはしませんでした。
夕陽地主還是準備到幫自己兒打反鎖關到屋裡、不讓他出去。

一方、那美はいつもの時間になると屋敷を抜け出して、小治郎がやって来るのを待ちました。
另一邊、女方是到了時間就偷偷摸出來、還是老樣子等到男的。

しかし小治郎は、やって来ません。
問題是男的被他老頭關到屋裡打反鎖的。

「小治郎さま、一目でもお逢いしたい」
女的就好想見男的。

那美は小治郎の家に行こうと、橋を渡り始めました。
這就準備過橋
直接到他屋短(截)他去


そして川の中程に、さしかかった時の事です。
走到一半。

「あっ!」
叫聲

那美は小さな悲鳴とともに、烏川に飲み込まれてしまいました。
女方是落到河裡面去了。

舟橋の橋板が何者かによって、はずされていたのです。
是哪個幫搭到船上面的板子過(給)下了。

その頃、小治郎がまんじりともせず那美の事を思っていると、風もないのに灯りがふっと消え、一瞬悲鳴を聞いた様な気がしました。
一直想到女方的事好煩躁的男的、這個時候、燈著(被)陰風一吹、接到就是一聲慘叫。

「那美どの!」
姬君!

妙な胸さわぎとともに、小治郎は戸を蹴破って舟橋に駆けつけました。
心裡突然好慌、男方也是直接用踋幫門拆了、這就直到往船橋跑。

するとはずれた橋板の上に、那美のぞうりが片方残っていました。
這就看到少塊板子的船上面、剛好女的半雙鞋子到上面。

これを見て、全てをさとった小治郎は、
男的就一哈覺得自己甚麼都曉得了。

「那美どの。死の国への旅を、一人で行かせる様な事はしません」
死國之旅斷不令姬君獨行。

と、烏川に身を投じて、那美のあとを追ったのでした。
港完這人也跳落去、追前面那條去了。

さて、この心中の後、舟橋には夜な夜な男女の幽霊が出没するようになり、誰一人舟橋を渡る者がなくなってしまいました。
這情死之後、晚上每天橋上就漂出兩條幽靈、這哈那個都不敢過橋了。

その後、旅の僧がこの二人の為に観音像(かんのんぞう)を刻んで供養を行ってからは、幽霊が出る事はなくなり、舟橋は元のにぎわいをみせました。
這後面也是來了個和尚、刻了尊觀音像、這是幫這兩條魂鎮到、超度一哈、幽靈就不出來啦、後面橋上人也是多了起來。

しかし、那美と小治郎の悲恋(ひれん)は都の歌人の心を引きつけ、今でもこんな歌が残されています。
但這條事曉得的人也多、也是有文才幫他編到和歌裡面去了。

♪かみつけの、佐野の舟橋とりはなち
♪親はさくれど、吾(あ)はさかるがへ
可美都氣努 佐野乃布奈波之 登里波奈之 於也波左久禮騰 和波左可流賀倍

上毛野かみつけの 佐野船橋さののふなはし 取放とりはなし 親おやは放さくれど 我わは離さかるがへ
東國上毛野 佐野船橋遭取放 好事總多磨 雖然汝親欲拆散 然而我倆豈離哉

おしまい
结束

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