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6月27日の百物語
（6月27日的日本鬼故事）


平太郎屋敷に現れた化け物
平太郎屋有鬼

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むかしむかし、広島のある大きな屋敷に、稲生平太郎(いのうへいたろう)という十六歳の若者がいました。
到好久以前、廣島有一個大屋子、裡面住到個喊稻生平太郎的十六歲年輕人。

両親はすでに亡くなっているので、平太郎は身の回りの世話をする人たちと暮らしています。
爹媽都死了、就和家僕們一起。

ある夜の事、平太郎が寝ていると隣の部屋からうめき声が聞こえました。
晚上、平太郎就睡到的、旁邊屋子就開始嚎。

隣の部屋には、平太郎の世話をしている権平(ごんべい)という男が寝ています。
旁邊住的是打雜的權平。

そのうめき声がだんだん大きくなるので、平太郎はふとんから飛び起きて権平をゆり起こしました。
聲音一哈大了起來、太郎快點起來、搖醒權平。

「権平！　どうした！　何があった！」
你怎麼了啊！啊、！出甚麼事了啊！權平！

権平は玉の様な汗をかいていて、ブルブルと震えながら答えました。
權平的汗是大顆大顆的噴、震到震到抖。

「実は、ものすごい大男が現れて、わたしをふとんの上から押しつぶそうとしたのです」
權平港突然出現條猛男、到壓自己床。

「なに？」
甚麼鬼？

平太郎は、あきれた顔で言いました。
太郎以為自己是聽了條甚麼。

「何を馬鹿な。夢でも見たのだろう」
我還以為甚麼事、是你到做夢。

その時、ヒューッ！　と、風が吹き込んできて、行灯(あんどん)の灯が消えました。
這時、一陣風、燈籠火熄啦。

そして障子に、赤い火の影がうつりました。
馬上、紙門就是一坨火。

「火事か！」
起火啦！

平太郎は火事かと思い、大急ぎで障子を開けようとしました。
太郎以為肯定是起火、準備快去開門。

すると火の影は消えたのですが、誰かが反対側から押さえつけているようで、いくら力を入れても障子はびくともしません。
火一哈消了、但是、好像是人到門外壓到樣的、用好大的勁、這門就是絲毫不動。

「そこにいるのは何者だ！」
是那個到！

すると稲妻の光に照らされて闇の中から浮かびあがったのは、障子を反対側から押さえている丸太の様に太い毛むくじゃらの腕だったのです。
一道閃電一劈、黑暗中的光亮看清楚了、外面是樹墩子那麼粗條長毛大手、幫門壓到的。

「権平が言った大男は、こいつか！」
真的有條大猛男！

平太郎が柱に片足をかけて何とか障子を開くと、強い光は隣の家の屋根の上から差していました。
太郎幫一隻腳踩到門框邊上當支點、門硬是開了、這就外面屋頂上面強光照射過來。

よく見るとそこには、一つ目の化け物がいました。
好甚看、是條單眼怪到。

さっきの赤い火の影は、この化け物の目の光だったのです。
剛剛那坨火、就是他眼裡裡面發出的光。

化け物の腕が平太郎を捕まえようと、ぬーっと伸びてきました。
鬼手一伸、就準備捉太郎了。

「なにくそ！」
搞甚麼卵！

平太郎は刀を手にすると太い毛むくじゃらの腕に斬りかかりましたが、化け物の腕はそれをかわすと、すーっと引っ込みました。
太郎取刀砍毛手、毛手一躲一縮。

やがてこの騒ぎを聞いて、隣の家に住む友だちの権八(ごんぱち)が、家の中へ飛び込んできました。
這動靜這麼大、幫鄰居權八也驚動過來了。

「平太郎！　何があったんじゃ！　たった今、門の前で茶碗を持った小坊主がおれの前を通り過ぎて行ったが」
問太郎這是到搞甚麼、港剛剛就看你門口過路條小兒、拿條茶碗。

「そいつがあやしい！」
巧卵（怪事）了！

平太郎は外へ飛び出しましたが、権八が出会ったという小坊主の姿はもうありませんでした。
太郎馬上到外面看情況、權八碰到的那小兒早不見了。

そしてこの夜から、なんと一ヶ月もの間、ぴょんぴょんと飛び跳ねる首だけの化け物や、一メートルもある大ガニの化け物など、毎晩の様に化け物が平太郎の屋敷に現れたという事です。
就從這晚上開始、差不多一個月、就只有一個腦殼到處跳、一米大螃夾、這麼些個妖怪每天晚上都出來到太郎屋裡面。

おしまい
结束

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