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8月14日の百物語
(8月14日的日本鬼故事)

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投稿者 「りっきぃの夜話」  りっきぃの夜話

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投稿者 「櫻井園子」  櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》

もうはんぶん

もう半分
加半碗

日本語 ・日本語&中国語

むかし、江戸の町に、屋台の酒売りがありました。
到好久以前、江戶街上、有條賣酒的、是那種推車的路邊攤。

「今にも雨が降り出しそうで、嫌な晩だなあ。まとまったお金があれば、ちゃんとした店で商売が出来るのに」
唉、這又要下雨了、這一晚上一晚上的、要是有點錢可以租個門面就好啦。

酒売りがぼやいていると、白髪頭のおじいさんがやって来ました。
酒老闆就到那裡罵、來個白頭髮老頭頭。

「ちょっと、飲ませてくれんかね」
跟我搞點酒。

おじいさんは身なりがだらしなく、着物が薄汚れています。
老頭頭身上窮酸又派螚(髒亂)

(けっ、貧相な客だな)
酒老闆心想是條窮鬼、有點看不起。

酒売りはそう思いながらも、笑顔で言いました。
但還是笑臉相應

「へい。いかほど、お出ししましょう?」
要好多?

「茶碗に半分ほど、飲ませてもらいたい」
倒一半碗就可以了。

「へい」
好來了。

酒売りが言われた通りにお酒を出すと、おじいさんは、ググッと、ひといきに飲んで、空の茶碗を突き出しました。
半碗一乾、幫碗持出去

「もう半分、もらおう」
又喊添半碗

そしてそれを何度も繰り返しますが、全然酔っ払う事がなく、時々考え込んでは、深いため息をついたりしています。
這就反反復複半碗半碗的加、覓(沒)點醉意、時不時沈思嘆氣。

「お客さん。半分ずつでなく、とっくりごと飲んではいかがですか?」
客人啊、你就乾脆抱條壺喝了、莫半碗半碗的加了。

「そういう気分には、なれんのだよ。もう半分」
我覓那個想法、再來半碗

(全く、ケチなお客だ)
店家就到心裡面罵

しかしそのうちに、おじいさんも酔いが回ってきたらしく、
過不了好久、老頭頭也不行了

「いくらだい?」
結賬
好多?


と、小銭で勘定をすませて、フラッと帰って行きました。
用幾個塊塊錢幫賬接了、這也就回去了。

「けっ、変な客だったな。・・・おや?」
怪人、唉?

酒売りがふと見ると、屋台のすみに、小銭で勘定をすませて縞模様(しまもよう)の財布が置いてありました。
酒老闆一看、攤子邊上有個印到有紋路的錢袋子落那裡的。

「さっきのじいさんが、小銭を出す時に取り出して忘れていったんだな。どうせ中身も小銭だろう」
是剛剛那條老頭頭的、估計裡面也覓得甚麼錢。

酒売りが財布を手にすると、財布は意外にズッシリしています。
酒老闆就幫他撿到、發現不是一般的重。

中を見ると、何と小判(こばん)がびっしりと入っていました。
看裡面、好多金幣並排擺到的。

「おおっ! これだけあれば、店の一軒くらい借りられるぞ」
啊啊!這麼多、有這錢我就可以付的起租金了。

酒売りがニンマリして財布をしまった時、さっきのおじいさんが顔色を変えてかけ戻ってきました。
酒老闆剛幫袋子一捆、剛剛吃酒那條就好急的跑回來了。

「ここに! ここに、縞模様の財布を忘れて行かなかったか!?」
我剛剛是不是幫錢包放這裡忘記取走了!?

「財布?
さあ、そんな物は、影も形もありませんでしたよ。
錢袋子?
我覓看到有個袋子啊


酔っ払って、思い違いをしているんでしょう」
你肯定是喝醉記忘記的。

「いいや、確かにここに置いたんだ!
我是放這裡你!

頼むから、返してくれ!
我拜託你啦、那個一定要退起啊!

あれは、娘を売ってこしらえた金なんだ。
那錢是我賣自己女得的。

あれがないと、わしは身投げをせねばならん!
現在錢覓得了、我就只有死了!

さあ、はやく返してくれ!」
快點退我!

「何!?
返してくれだと!?
啊!?
我要退你條甚麼?


お客さん、人聞きの悪い事を言わないでもらいたいね。
你不要港到好像是我幫你錢謀了樣的。

さあ、帰った、帰った。商売の邪魔だよ」
快點走、你妨礙其他人吃酒了。

酒売りはおじいさんをつまみ出す様にして追い返し、追い出されたおじいさんはふらふらと近くの川へ行くと、そのまま身投げをして死んでしまいました。
酒老闆就幫人推到趕、老頭頭著趕走也失了魂、就走到旁邊的河裡面跳了。

それからしばらくすると、酒売りはおじいさんのお金で念願の店を構えて旦那になりました。
後面酒老闆靠到這袋子錢也是有一個自己的店子了。

新しい店の商売は繁盛し、裕福になって美人のお嫁さんをもらえば、すぐに男の赤ん坊が生まれました。
新店子生意也好、一有錢女的也就來了、這又馬上生條兒。

「ありがてえ、ありがてえ。ばんばんざいだ」
好傢伙好傢伙。

ところが赤ん坊は生まれた時から歯が生えていて、おじいさんみたいに顔中がしわだらけで、ちっとも可愛くありません。
但是小兒為甚麼一生落來就有牙齒啦、還跟條老杆子一樣的臉上全是皺紋、讓人看起來一點都不舒服。

おかみさんも気味が悪くて世話をしたがらず、乳母をやとっても翌日には青い顔で逃げ出してしまいます。
自己媽都不喜歡他、幫他邏條奶媽、但是奶媽也過第二天就跑了、骸跑的。

「苦労知らずの嫁さんはともかく、金でやとった乳母が逃げ出すとは」
自己堂客就算了、這用錢別個都不情願跑路了。

旦那は乳母が逃げ出したわけを調べようと、夜中まで起きて赤ん坊の様子を見張っていました。
酒老闆想曉得這其中到底是甚麼原因、為甚麼被骸跑了、晚上就守到自己小兒。

するとスヤスヤ眠っていた赤ん坊がむくりと起き出して、辺りを見渡してから行灯(あんどん)の油をぺちゃぺちゃとおいしそうになめはじめたのです。
睡到的小兒一哈過突然醒了、四處渺一眼、就開始舔燈裡面的油吃、舔到好像好舒服的樣子。

(なっ、なんと!)
這是甚麼!

あまりの事に、旦那は腰が抜けてしまいました。
酒老闆這一哈人過就不行了。

そして赤ん坊はヒヒッと笑って、腰を抜かしている旦那に茶碗を突き出す様なかっこうをして言いました。
小兒突然又開始笑、對他老頭做出一條伸碗的動作。

「もう半分、もう半分」
加半碗、加半碗

その赤ん坊の顔は、あの時のおじいさんと同じ顔でした。
兒的臉就變成當年老頭子的那條臉了。

赤ん坊はおじいさんの、生まれ変わりだったのです。
仇人變成酒老闆的兒來害他了。

「ひぇーーーー」
啊啊啊啊

旦那は恐怖のあまり気を失ってしまい、そのまま高熱を出して死んでしまいました。
老闆也是人過骸彈了、後面是高燒一直不退、死了。

おしまい
结束

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