福娘童話集 > きょうの百物語 福娘童話集 きょうの百物語 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 

福娘童話集 > きょうの百物語 > 9月の百物語 > カッパのわび証文

9月18日の百物語

カッパのわび証文

カッパのわび証文
山形県の民話山形県情報

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士

♪音声配信(html5)
音声 ひかる

 むかしむかし、最上川(もがみがわ→山形県)のほとりに庄屋(しょうや)の家があり、庄屋さんには美しい一人娘がいました。
 その一人娘が最近元気がなくなり、顔色も青ざめてきたのです。
 医者に見せても病気ではないというし、娘にどこか具合が悪いかと聞いても首を横に振るだけです。
 困った庄屋さんは、知り合いの巫女(みこ)に娘をみてもらいました。
 すると巫女は、娘を一目見て言いました。
「娘さんは、カッパに見込まれて術をかけられています。
 わたしの力では無理ですが、法力のあるお坊さまなら、道切り(みちきり)の呪文(じゅもん)でカッパを捕まえる事が出来るでしょう」
 そこで庄屋さんは、古いお寺の和尚(おしょう)さんに道切りの呪文を頼みました。
「よろしい。カッパが人間の女に心を寄せるなど、とんでもない事。こらしめてやりましょう」
 和尚さんはカッパのいる川に行って、道切りの呪文を唱え始めました。
 すると不思議な事に、川の水がみるみる減り始めたのです。
 川の水が減って川幅がせまくなると、和尚さんは川に向かって大声で叫びました。
「カッパよ!
 庄屋の娘の術を解き、二度と人間に悪さをしないと約束せい!
 明日の朝までに約束の証文(しょうもん)を持って来ない時は、川の水を枯らしてくれようぞ!」
 すると川の底から、苦しそうな声が聞こえてきました。
「悪かった。明日の朝、必ず証文を持っていこう」

 庄屋さんが家に帰ると、カッパにかけられた術がとけたのか、娘はすっかり元気になっていました。

 次の朝、和尚さんが山門に出てみると、一巻のわび証文が置いてあり、それからカッパが人間に悪さをする事はなかったそうです。

 今でも高畠町糠野目(たかはたちょうぬかのめ)のあるお寺には、このカッパのわび証文が残されているという事です。

おしまい

前のページへ戻る


     9月18日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
かいわれ大根の日
きょうの誕生花
鳳仙花(ほうせんか)
きょうの誕生日・出来事
1961年 中井貴一(俳優)
恋の誕生日占い
ミステリアスな雰囲気がある、おしゃれな女の子
なぞなぞ小学校
道に立ってタクシーを止めるのに、タクシーには絶対に乗らないのは?
あこがれの職業紹介
ニュースキャスター
  9月18日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
白ナス
きょうの世界昔話
寿命
きょうの日本民話
ウシの恩返し
きょうの日本民話 2
猪苗代湖(いなわしろこ)の始まり
きょうのイソップ童話
北風と太陽
きょうの江戸小話
拾い屋
きょうの百物語
カッパのわび証文

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ