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1月10日の日本民話
(1月10日的日本民間故事)
ネコのおけさ節

ネコのおけさ節 (健全普通話版)
貓娘小畩

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読者 : スタヂオせんむ

むかしむかし、佐渡島(さどがしま)の海辺に、ネコ好きのおばあさんがいました。
在很久以前、佐渡島的海邊、這裡住著一位很喜歡貓咪的老奶奶。

若い頃から一人暮らしですが、いつも十数匹のネコを飼っています。
婆婆是自年輕時起便在此地定居、但由於收養的十多隻小貓陪伴婆婆並不孤單。

ところが年を取るにつれて貯金もなくなり、その日の食べる物にさえも不自由するようになりました。
可這人一旦到了老年、年輕時存下的積蓄被自己一點點耗盡、突然到了某天婆婆發現自己是連飯都吃不上了。

その為に、たくさん飼っていたネコたちも次々と逃げ出して、ついには古くからいた三毛ネコ一匹しか残りませんでした。
這種原因就導致婆婆收留的大量貓咪也開始棄婆婆而去、一隻隻溜走的最後、願意陪伴到婆婆身邊的就只有從很早以前就被婆婆收留的一隻老三花貓了。

おばあさんはこの三毛ネコを今まで以上に可愛がり、自分が食べない日はあっても、ネコの食べ物だけは毎日用意しました。
婆婆將這隻最後的老貓更加用心的照料、即便是自己吃不上飯的日子、也會給老貓準備好食糧。

しかし、いつしかその食べ物にも困るようになったので、ある日おばあさんはネコに言いました。
但當到達了連老貓的食物都再也拿不出手的這天、婆婆對到貓咪說話了。

「ごらんの通りの貧乏暮らしで、お前にエサをやれんようになってしまった。
如你所見、現在的這個家是如此的窮困、我已經連你的食物都無法保證了。

だからといって家出をしたり、よその家に行って食べ物を欲しがったりしないでおくれ。
但是我還是不想你因此而離我而去、為了食物住進其他人家裡。

お前は、わたしのたった一つの生きがいなのだから」
現在只有你才是我還能活下去的那麼一點指望了。

ところが次の日、そのネコも姿を消してしまいました。
但到達了次日、這隻老貓消失了。

(ああ、何て事だろう。あれほど可愛がっていたネコに見捨てられるなんて。貧乏すると人ばかりか、ネコにまで嫌われてしまうのか)
啊啊!竟是如此、即便是這麼真誠的對待還是沒有能可挽留、就因為我是如此的清苦、這下就連是貓咪都看不上了。

おばあさんは、思わず涙をこぼしました。
婆婆此時已是不經意間留下淚水。

誰もいない家の中でボンヤリと座っていたら、突然、美しい娘が訪ねて来て言いました。
此時家中已是只有婆婆一人了、人如同失了魂一般、沮喪、突然、一位年輕的女孩進入了婆婆家中。

「おばあさん、わたしはおばあさんに可愛がってもらった三毛ネコです。今まで、何のお役にも立ちませんでしたが、どうぞ恩返しをさせて下さい」
婆婆、我就是你喂了那麼久的那隻三毛貓、這麼久以來一直能沒能幫上您一點的忙、但現在是該我回來報恩了。

と、言うではありませんか。
這下不就來隻貓娘把人話說了嗎?

おばあさんはビックリして娘を見ましたが、どこから見ても人間の姿で、とてもネコが化けているとは思えません。
婆婆吃驚的望向眼前的少女、無論是如何仔細的觀看都是一個活脫脫的人類少女、一點也不像有著妖怪貓的樣子。

「お前、そんな姿になって、何をしようというのかい? わたしの事なら心配しなくても大丈夫だからね」
喂喂、那你現在變身成為這個樣子是想要為我做點甚麼嗎?但是我不需要、請你不要為了我的事情而擔心。

「いいえ、このままではおばあさんが可愛そうです。何でも、江戸(えど)の方から芸者(げいしゃ)になる娘を探しに来ているという噂を聞きました。どうか、江戸の男にわたしを見せて下さい。きっと、たくさんのお金で買ってくれるでしょう」
不行、一直以來在家中勞煩了你這麼長的時間、其實我得到消息、知道江戶會來一位尋找芸者的星探、拜託到時來人就把我拉出、若是將我賣出肯定會得到一筆價值不菲的錢。

娘に化けたネコが、あまりにも熱心に言うので、
貓娘是如此熱心腸的替婆婆著想。

「そこまで、わたしの事を心配してくれるとは・・・」
我真的有值得你這樣為我去費心嗎……

と、おばあさんはネコの申し出を受ける事にしました。
最終婆婆仍是接受了貓娘的提議。

やがて、おばあさんの村へ江戸の男がやって来て、娘を見るなり、
此刻、從江戶的星探來了、也看見了貓娘。

「なんてきれいな娘だ。こりゃ間違いなく、江戸でも指折りの芸者になれるぞ」
世間竟有如此美麗的少女、只要跟隨了我定會成為這江戶首屈一指的藝人、絕對不會錯。

と、言って、おばあさんにたくさんの金を渡して、娘を江戸へ連れて行きました。
星探說完、便給與了婆婆大量錢財帶著貓娘前往江戶了。

それから何ヶ月かあと、江戸の深川(ふかがわ)の料理屋に、おけさと名乗る芸者が現れました。
此後數月、江戶的深川料理屋、一位頂著小畩藝名的舞姬現世了。

そのあでやかな美しさは、まるで名人が描いた絵から抜け出たようです。
其態豔麗、其舞婀娜、簡直就是從名人繪畫中跳出。

しかも、おけさの歌う歌は江戸では珍しいもので、人々からは『おけさ節』と呼ばれて、たちまち町中の評判(ひょうばん)になりました。
而小畩不但自身、其曲辭藻浮華亦同為江戶少有、因別具一格、人送畩流、享名江戶的大街小巷。

そんなおけさを一目見たいという客が増えて、おけさのいる料理屋は毎晩大変な賑わいとなりました。
而為暮佳人很多客人都是因小畩專程前來、就這樣料理屋每晩都是人山人海。

ある晩の事、その料理屋へ船乗りたちを引き連れた船頭(せんどう)がやって来て、
有一個夜晚、料理屋內來了一位船老大以及跟隨老大們的一群水手夥計們。

「金ならいくらでも出すから、おけさを呼んでくれ」
我們有很多很多的錢、無論花多少、都務必給我叫來小畩。

と、言うのです。
這樣說道。

「お呼びいただいて、ありがとうございます」
感謝大家們的光顧、我就是小畩。

おけさが部屋に行くと、部屋はたちまち花が咲いた様に華やかになり、とても賑やかな酒盛りが始まりました。
小畩走向了船頭們所在的房間、剛一到場、房間裡便是如同燻風襲來一樣讓人神迷、而後大家舉杯暢飲、正是因小畩的到來讓酒席熱鬧非常。

やがて三味線(しゃみせん)が鳴り、おけさの歌う「おけさ節」が流れます。
到了時機、小畩便也是架起了三味線開始彈奏、曲詞韻律無一不是畩流。

「よよっ、いいぞ、いいぞ」
好好好、表演的真好啊。

おけさ節に合わせて船乗りたちが踊り、踊っているうちに酒の酔いが回って、一人、また一人と酔い潰れ、酒盛りが終わった時には、みんな大の字になっていました。
水手們伴隨著音樂的旋律也同小畩一起起舞、跳著跳著逐漸大家都開始醉了、最開始是一人、然後又一人、等到酒桌狼藉、所有人都大字朝地的躺下了。

飲み過ぎた船頭は、はうようにして隣の部屋へ行き、布団の中へ潜り込みました。
已經是迷糊的不行的船老大此時正在迷迷糊糊的爬向附近自己房間、鑽入了棉被睡去了。

さて、夜中にふと目を覚ました船頭の耳に、酒盛りをした部屋から、何かを噛み砕く様な音が聞こえてきました。
而就在半夜、船老大的耳邊被一陣聲音驚醒、聲音是從酒宴的房間中發出、似乎是有何種東西被啃咬。

(はて、何の音だろう?)
唉?這是甚麼聲音?

不思議に思った船頭が、しょうじのすきまからそっと中をのぞいてみると、何と芸者姿の大きなネコがキバをむき、食べ残した魚の頭をかじっているではありませんか。
船老大感覺莫名、將紙門戳破出了一個破洞、對著門外開始窺視了、一看、竟然是一隻巨大的大貓穿著舞芸者的衣類漏出了遼牙正在啃咬一顆吃剩的魚頭。

その着物はどう見ても、おけさの着ていたものです。
而且那件舞衣怎麼看都就像是小畩剛剛所穿無誤。

ビックリした船頭は、あわてて床の中へ潜り込みました。
船老大害怕極了、慌慌張張的爬向自己的被子鑽了進去。

すると、それに気づいたおけさが船頭のそばへ来て、
但不一會兒、是知道了嘛?感覺到這一切的小畩向著船老大這邊來了。

「今見た事は、誰にも言わないで下さいね。もし人にしゃべったら、ただではおきませんからね」
你剛剛看見的事記得不得對任何人提起、若是敢違背、我是不會輕易放過你的。

と、言ったのです。
說這話的正是貓妖小畩。

「わ、わかった。誰にも言わない」
我、我知道了、跟誰也不會說。

船頭は、ブルブルと震えながら答えました。
船老大此時怕得只打囉嗦渾身發抖的回答到。

次の朝、船頭と船乗りたちは料理屋を出て浜に向かいました。
第二天一早船老大帶著船員水手們一起離開了料理屋、向著海邊出發了。

海は静かで空には雲一つなく、船旅には絶好(ぜっこう)の日よりです。
今天的海上靜海無波是個出航的好天氣。

「それっ!」
用力!

船頭のかけ声とともに、船はゆっくりと動き始めました。
隨著老大的命令、大船緩緩的開始行使了。

やがて船乗りたちが、一か所に集まってゆうべの話を始めます。
而不多時後、到了閒聊的時間、大家都聚在一起討論昨晚的酒會。

「いやあ、ゆうべは楽しかったな。それにしても、芸者のおけさのきれいな事」
昨天晚上真是快活啊、而且最主要的還是看到了小畩、她的長的真漂亮。

「そうよ。さすがは江戸だ。おら、あんなにきれいで歌のうまい芸者は見た事がない」
對呀、江戶這裡真好啊、我還從來沒有見過如此能歌善舞的舞姬呢。

そこへ船頭もやって来て、つい口を滑らせたのです。
聽到大家談論、船老大也過來湊了下熱鬧、不小心就一下說漏了嘴。

「お前たち、あの芸者の正体を知っているのか?」
那你們可知道那位小畩的真身?

「正体だって?」
你說甚麼真身?

「実はな、あの芸者はネコが化けたものだ」
其實她啊、是一尾貓妖啊。

と、ゆうべの出来事を、詳しく話して聞かせました。
這時就由船老大跟眾水手們細細道來了、將昨夜自己看到的全部知會給了眾人。

「まさかそんな。とても信じられない」
怎麼可能、我絕對不信。

「まだ、酒に酔っているのと違うか?」
你難不成是還醉著嘛?說這種胡話。

船乗りたちが首をかしげていると、今まで晴れていた空に突然黒雲がわき出し、見る見るうちに船へと近づいてきます。
水手們聽完船老大的話開始沈思、而此時萬里無雲的天空烏雲開始密佈了、更詭異的是這陣黑雲就直衝水手們的大船而來。

「大変だ、嵐が来るぞ!」
是大風浪!這下出事了!

船乗りたちがそれぞれの持ち場へ行こうとした時、黒雲の上から大きなネコが現れて、いきなり船頭を引きずり上げると、そのまま雲の中へ消えてしまったのです。
船員們開始各就各位準備共渡難關、可就在這時、烏雲中一尾超大貓妖現身了、只見貓妖從黑雲跳出一把拉住船老大將其扯入雲中後消失。

同時に海は激しい嵐となり、船は木の葉のようにゆれて、船乗りたちは生きた心地がしません。
於此同時、海面開始掀起了大浪、船就在大海中如同一片飄零的落葉左右搖擺、船員們一個個無不驚心動魄。

「どうか、どうかお助けを。今の事は決してしゃべりませんから!」
天啊!老天爺啊!快來救救我們吧!我們保證之前聽過的事不跟其他的任何人說起!

船乗りたちが船にしがみつきながら必死で叫ぶと、やがて嵐が治まりました。
一船的水手們都在拼命的朝上天祈禱、而風浪總歸還是停了。

しかし船頭は空へ引きずりあげられたまま、二度と戻っては来なかったそうです。
可是被吸入黑雲中的船老大、從今往後誰都沒有再看見他回來過。

おしまい
结束

↓ ※オタク構文版 (翻訳者の改変意訳バージョンです) ↓

ネコのおけさ節
貓藝妓

むかしむかし、佐渡島(さどがしま)の海辺に、ネコ好きのおばあさんがいました。
到好久以前、佐渡島的海邊邊上、有條喜歡貓的老婆子。

若い頃から一人暮らしですが、いつも十数匹のネコを飼っています。
從還是條小女兒的時候就開始養貓、經常是十把條貓圍到身邊的。

ところが年を取るにつれて貯金もなくなり、その日の食べる物にさえも不自由するようになりました。
但這人上了年紀、又是一個人㫘存得甚麼錢、生活都成問題了。

その為に、たくさん飼っていたネコたちも次々と逃げ出して、ついには古くからいた三毛ネコ一匹しか残りませんでした。
這就貓㫘得好的吃也一個個不親人了、越來越看不到了、最後就一條三毛的老貓還守到婆子身邊。

おばあさんはこの三毛ネコを今まで以上に可愛がり、自分が食べない日はあっても、ネコの食べ物だけは毎日用意しました。
婆子怕最後一條也跑了去、就比以前更親了、都是讓貓先吃。

しかし、いつしかその食べ物にも困るようになったので、ある日おばあさんはネコに言いました。
但最後連一人一貓的口糧都邏不到了、有天婆子就跟貓講。

「ごらんの通りの貧乏暮らしで、お前にエサをやれんようになってしまった。
現在太窮了、連喂你都成問題啦。

だからといって家出をしたり、よその家に行って食べ物を欲しがったりしないでおくれ。
但是婆子還是不希望三毛跟其他人跑了去。

お前は、わたしのたった一つの生きがいなのだから」
就講你都跑了我活得就㫘盼頭啦。

ところが次の日、そのネコも姿を消してしまいました。
但是跟貓講完這話的第二天、三毛也過是不見了。

(ああ、何て事だろう。あれほど可愛がっていたネコに見捨てられるなんて。貧乏すると人ばかりか、ネコにまで嫌われてしまうのか)
婆子這就心裡委屈啊、自己明明這麼親這條貓、還是跑了、窮人不僅人看不起、連貓也不願意跟窮人到一起。

おばあさんは、思わず涙をこぼしました。
婆子這就眼睛水雙拋。

誰もいない家の中でボンヤリと座っていたら、突然、美しい娘が訪ねて来て言いました。
屋裡這就空啦、婆子就一個人獃(音げえ)坐到那裡的、屋裡一哈就來個長得好乖的女過幫門敲了。

「おばあさん、わたしはおばあさんに可愛がってもらった三毛ネコです。今まで、何のお役にも立ちませんでしたが、どうぞ恩返しをさせて下さい」
婆、婆!我是你屋的三毛貓啊、我變成人來幫你作事來了。

と、言うではありませんか。
這貓一哈變成人回來了。

おばあさんはビックリして娘を見ましたが、どこから見ても人間の姿で、とてもネコが化けているとは思えません。
婆子就開門左看右看、發現這怎麼看都是條人、一點不像是貓啊。

「お前、そんな姿になって、何をしようというのかい? わたしの事なら心配しなくても大丈夫だからね」
婆子就講你變成人這是要搞甚麼嘛、講不要關心我的事的、自己不要緊的。

「いいえ、このままではおばあさんが可愛そうです。何でも、江戸(えど)の方から芸者(げいしゃ)になる娘を探しに来ているという噂を聞きました。どうか、江戸の男にわたしを見せて下さい。きっと、たくさんのお金で買ってくれるでしょう」
貓就講婆子一直對自己這麼好、我聽講最近江戶那邊過來人邏小女兒過去賣藝、你就幫我賣別個換錢算了。

娘に化けたネコが、あまりにも熱心に言うので、
貓就一直講迷到那裡的。

「そこまで、わたしの事を心配してくれるとは・・・」
婆子還㫘想到這貓對自己這麼好。

と、おばあさんはネコの申し出を受ける事にしました。
就聽貓講的作了。

やがて、おばあさんの村へ江戸の男がやって来て、娘を見るなり、
這就從江戶過來的男的來了、就幫婆子的貓一看。

「なんてきれいな娘だ。こりゃ間違いなく、江戸でも指折りの芸者になれるぞ」
這女可以、這麼乖肯定是條大明星。

と、言って、おばあさんにたくさんの金を渡して、娘を江戸へ連れて行きました。
這就幫女一帶、甩婆子一袋子錢走了。

それから何ヶ月かあと、江戸の深川(ふかがわ)の料理屋に、おけさと名乗る芸者が現れました。
這之後幾個月過去、江戶的深川一個酒館裡面、一個喊畩的藝妓就露頭了。

そのあでやかな美しさは、まるで名人が描いた絵から抜け出たようです。
長得好乖好乖、就跟畫裡面蹦出來樣的。

しかも、おけさの歌う歌は江戸では珍しいもので、人々からは『おけさ節』と呼ばれて、たちまち町中の評判(ひょうばん)になりました。
而且這演奏的風格也是殊異、就開創出一种別個都喊畩風的流派。

そんなおけさを一目見たいという客が増えて、おけさのいる料理屋は毎晩大変な賑わいとなりました。
都是為了過來看美人一面、酒館裡面人是過潽滿了。

ある晩の事、その料理屋へ船乗りたちを引き連れた船頭(せんどう)がやって来て、
這就一天夜、下來一船水手還有船長到了酒館。

「金ならいくらでも出すから、おけさを呼んでくれ」
這就指名畩來、講不管錢出好多。

と、言うのです。
放話了。

「お呼びいただいて、ありがとうございます」
畩客套了一下、也就露面了。

おけさが部屋に行くと、部屋はたちまち花が咲いた様に華やかになり、とても賑やかな酒盛りが始まりました。
人一到場這空氣就變了、大家這就吃酒吃的好開心。

やがて三味線(しゃみせん)が鳴り、おけさの歌う
琴曲這也拉起來了。

「おけさ節」が流れます。
正是畩流。

「よよっ、いいぞ、いいぞ」
下面就拍手講好。

おけさ節に合わせて船乗りたちが踊り、踊っているうちに酒の酔いが回って、一人、また一人と酔い潰れ、酒盛りが終わった時には、みんな大の字になっていました。
這興致一來、水手們也幫舞跳起來了、越醉越舞、越舞越醉、一二三四五、這人是一個個往地下倒、最後是全放翻了。

飲み過ぎた船頭は、はうようにして隣の部屋へ行き、布団の中へ潜り込みました。
醉迷的船長爬到爬到自己的房間、壓倒鋪蓋上面睡落去了。

さて、夜中にふと目を覚ました船頭の耳に、酒盛りをした部屋から、何かを噛み砕く様な音が聞こえてきました。
半夜船長眼睛一睜、是甚麼聲音幫自己吵醒了、醉酒的房間裡面有甚麼東西到喍。

(はて、何の音だろう?)
這是條甚麼聲音?

不思議に思った船頭が、しょうじのすきまからそっと中をのぞいてみると、何と芸者姿の大きなネコがキバをむき、食べ残した魚の頭をかじっているではありませんか。
這船長就感覺不思議、就到紙門外面偷偷步、小縫縫往裡面偷偷看、一條披到藝妓衣服的好大的貓、對到吃剩的魚腦鬠到那裡喍。

その着物はどう見ても、おけさの着ていたものです。
這衣服怎麼看都是畩剛剛到穿的啊。

ビックリした船頭は、あわてて床の中へ潜り込みました。
船長是著骸了個卵卯翻天、馬上爬回去睡覺了。

すると、それに気づいたおけさが船頭のそばへ来て、
大貓也聽到動靜、這就船長邊上一靠。

「今見た事は、誰にも言わないで下さいね。もし人にしゃべったら、ただではおきませんからね」
你看到了是吧、記得今天的事哪個都不要講啊、不然我是不得算了的。

と、言ったのです。
幫船長交待了一哈。

「わ、わかった。誰にも言わない」
船長也是馬上應了。

船頭は、ブルブルと震えながら答えました。
這就人駭到發㥬。

次の朝、船頭と船乗りたちは料理屋を出て浜に向かいました。
二日早、船長和水手出了客棧、往海邊去了。

海は静かで空には雲一つなく、船旅には絶好(ぜっこう)の日よりです。
這天氣出海正好適合。

「それっ!」
假(假以、待、與)勁!

船頭のかけ声とともに、船はゆっくりと動き始めました。
船長這就一聲唏、船就慢慢動動起來。

やがて船乗りたちが、一か所に集まってゆうべの話を始めます。
這就完事、水手就聚到一起扯卵談。

「いやあ、ゆうべは楽しかったな。それにしても、芸者のおけさのきれいな事」
昨天的女的真的好乖。

「そうよ。さすがは江戸だ。おら、あんなにきれいで歌のうまい芸者は見た事がない」
是啊、街上果然不一樣、這麼乖的女的我都還㫘看到過。

そこへ船頭もやって来て、つい口を滑らせたのです。
這船長也過過來湊熱鬧。

「お前たち、あの芸者の正体を知っているのか?」
你們不曉得吧?我曉得。

「正体だって?」
曉得甚麼?

「実はな、あの芸者はネコが化けたものだ」
別個是條貓精。

と、ゆうべの出来事を、詳しく話して聞かせました。
這就全過講出去了。

「まさかそんな。とても信じられない」
這也太假了吧、還有這種事啊。

「まだ、酒に酔っているのと違うか?」
這違還醉到的啊?

船乗りたちが首をかしげていると、今まで晴れていた空に突然黒雲がわき出し、見る見るうちに船へと近づいてきます。
這就都到扯這事、這晴空一哈黑雲開始布起來、而且是離船上越來越近。

「大変だ、嵐が来るぞ!」
稀爛!要起大風了!

船乗りたちがそれぞれの持ち場へ行こうとした時、黒雲の上から大きなネコが現れて、いきなり船頭を引きずり上げると、そのまま雲の中へ消えてしまったのです。
這水手就準備各就各位、雲裡面一條大貓一現、這過一口幫船長帶走了去、不見到雲裡頭了。

同時に海は激しい嵐となり、船は木の葉のようにゆれて、船乗りたちは生きた心地がしません。
這就海裡面狂風大浪、船就跟片葉子樣的隨風搖曳、這些個水手都感覺馬上就要稀爛了。

「どうか、どうかお助けを。今の事は決してしゃべりませんから!」
這就求饒哭喊放自己一條狗命、絕對不幫這事講出去。

船乗りたちが船にしがみつきながら必死で叫ぶと、やがて嵐が治まりました。
一船人這就都是這條案子、又唏又叫、這一哈風還真停了。

しかし船頭は空へ引きずりあげられたまま、二度と戻っては来なかったそうです。
但是唯獨就是不見了船長、這上天了之後就再也㫘看回來過了。

おしまい
结束

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