昔話の英語《福娘童話集》昔話の英語 Japanese & English昔話の英語《福娘童話集》 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > 日本民間故事 > 十月

10月11日の日本民話
(10月11日的日本民間故事)

金のもち

金のもち
金粑粑

日本語 ・日本語&中国語

むかしむかし、京の都に、貧乏ですが心のやさしい若者が住んでいました。
到好久以前、京都住到條好窮但是心慈的年輕人。

若者はとても信心深い人でしたので、毎月十八日には、必ず観音さまにお参りをしますし、また、時間があればあちらこちらのお寺にも、お参りをしていました。
年輕人信佛、每月十八這個日子必會去拜觀音、平日若是有閒也是這個廟那個廟去參拜。

さて、ある年の九月十八日。
這就講有年的九月十八。

若者は、いつものように観音さまにお参りをし、そして、お寺からお寺へとまわっている間に、都の東の山階(やましな)あたりまで来てしまいました。
年輕人一如既往的跑進觀音廟、完了之後又是這個廟哪個廟去訪、途中這就步上了山路。

このあたりには、人家はあまりありません。
這路上就㫘看到甚麼人、是條人煙稀少的地方。

人里離れた山道を歩いていると、五十歳ぐらいの男の人と出会いました。
幾腳路一走、和一條五十歲左右的男的碰了頭。

ふと見るとその男の人は、つえの先に何かを引っかけています。
仔細看男的提到手杖、而上面確是盤到條甚麼東西。

(なんだろう?)
年輕人好生觀察。

若者が見てみると、それは一尺(いっしゃく→30センチ)ほどの、まだらのヘビだったのです。
發現上面一條小蛇繞到的。

そのヘビがつえの先で、ピクピクと動いているのでした。
還到上面活蹦亂跳的彈啊彈。

若者は思わず足をとめて、その男に声をかけました。
年輕人看到這幕、就停下腳步對到男的搭話。

「もしもし、あなたはそのヘビを、どうするつもりですか?」
問他準備幫這條蛇怎麼搞。

「ああ、これにはちょっとした使い道がありましたな」
男的講自己自有用途。

「そのヘビを殺すのですか? 生き物を殺すのは、良くない事ですよ。それに今日は十八日、観音さまの日です」
你準備幫他殺了去是吧?但是殺生不是甚麼好事、況且今天是十八、這天又是觀音日。

ヘビを持った男は、じろりと若者の顔を見ると、ニヤリと笑いました。
男的看到年輕人講的話頓時一笑。

「なるほど、今日は観音さまの日ですか。しかし観音さまも、ヘビより先に、まずは人間を助けるでしょうね」
那你講這觀音是以救人為先還是救蛇為先?那他救了蛇救不救這被蛇吃了的老鼠啦?

「えっ? それはどういうことで?
怎麼講?

「わしは長年、にょい(→説法のときにお坊さんの持つ、まごの手の変形したもの)を作っておるが、そのにょいにする牛の角を曲げるには、このような小ヘビの油がなくてはならんのです。わしはそのにょいをお金に代えて、暮らしているのです」
這殺業又豈非不是由你們而起?法器以白犀角為首、牛角賤之、為成如意貢僧人顯貴、這使牛角彎曲之物正是我仗上這蛇油、你勸我放手、但讓我吃這口飯的人、又怎不是教導你莫去殺生的人啦。

「よく、わかりました。わたしも、ただでゆずってくれとは申しません。どうでしょう、わたしの着ている着物とヘビを、取り替えてはくれませんか?」
那這麼到、我用衣服換你這根蛇油、這麼你也不虧。

「うむ。まあ、取り替えてもよいでしょう」
順便你。

そこで若者は着物を脱いで、男に手渡しました。
年輕人脫了紗、男的手上一交。

そして男からヘビを受け取った若者は、男に尋ねました。
隨後年輕人還多問了一句。

「ところでこのヘビは、どこで捕ったのですか?」
這蛇是哪裡來?

「この少し先に、小さい池がある。そのそばで捕まえたのじゃ」
前面的水池裡面抓到的水蛇。

男はそう答えると、どこかへ行ってしまいました。
回答完別個問題男的也是動身離去。

若者はヘビを持って、教えられた池までやってきました。
而年輕人則是到了水池的所在。

そして水草のしげっているところを見つけると、ヘビをそっと逃がしてやりました。
逽了個隱秘地放走了這條蛇。

「もう、捕まるんじゃないよ」
最後還叮囑蛇莫再讓人捉了去。

ヘビが水草のかげに隠れてしまうと、若者は安心して、またお寺のある方に向かって歩き出しました。
看到蛇遁入水中不見了去、年輕人也是了卻了一樁心事、繼續去訪自己的寺廟。

それから、しばらく歩いた頃、若者は道ばたに立っている、一人の少女に出会いました。
兩踋路一走、途中一條少女粼立。

年は十二、三歳で、きれいな着物を着た、とても美しい少女です。
看起來好年幼、才十一二三、穿的也是一身好的、人也好看。

(こんな田舎で、こんな美しい少女に出会うとは)
估計是那屋有錢人的女、不曉得到這鄉邊怎麼碰到了。

若者はそう思いながら、だまって通り過ぎようとしました。
也是講稍微看一眼、這就要準備過路的時候。

すると少女は、意を決したように若者を呼び止めました。
別個是突然搭話了。

「あの、もし、もし」
先是喊了一下年輕人。

若者が振り返ると、少女は深く頭を下げて言いました。
年輕人腦鬠一回對到女了看了起來。

「お呼び止めして、すみません。わたしは、あなたさまのおなさけ深い心がうれしくて、そのお礼を申しあげようと思い、ここで待っておりました」
女的莫名奇妙講了一些、講甚麼年輕人對自己有天大的恩情、所有才到這裡準備等別個過路。

「お礼? お礼とは、何の事でしょう?」
你講要報恩?報甚麼恩?

「はい、命を助けていただいたお礼です。わたしは家に帰ると、助けられた事をさっそく父と母に話しました。すると父と母は、ぜひお礼を言いたいから、すぐお連れするようにと申しました。それで、お迎えに来たのです」
救命之恩、我平安回去之後幫這事講起了父母聽、他們又喊我回來講一定要報這條恩情。

(するとこの少女は、さっきの小さなヘビなのか?)
若者は、少し怖くなりました。
年輕人想半天不明所以、突然感覺這莫是剛剛那條蛇啦、駭出一身冷汗。

「それでは、あなたのご両親というのは、どこにいらっしゃるのですか?」
再問別個父母是哪裡人、到甚麼地方。

「はい、すぐそこです。さあ、ご案内いたします」
小女兒就講自己帶路、好近。

少女はそう言うと、池の方へ歩き出しました。
兩踋路這又往池子繞回去了。

若者は仕方なく、少女について行きました。
年輕人㫘法這也就先跟啦。

池のそばまで来ると、少女は立ちどまって若者を振り返り、
到了地、女了轉過頭過先交待年輕人。

「ここで、ちょっとお待ち下さい。すぐに戻ってまいりますから」
喊別個稍微等一下、自己馬上就來。

と、言ったかと思うと、少女の姿が急に消えてしまいました。
人過就直接消失不見了去。

(どうしよう? このまま、逃げてしまおうか?)
年輕人是過更加虛了、心想這莫不是現在跑了上算。

若者がそう思っていると、いつの間にか少女が現れました。
就準備兩踋抹油的時候、別個人又現身了。

「さあ、わたしの家にご案内いたします。大丈夫です。決して、恐ろしくはありません。もちろん、あなたさまにご迷惑もおかけしません。どうかしばらくの間、目をつぶっていて下さいませ」
估計也是看出了別個的恐慌、先講了好多的好話幫人安撫了落去、要別個放心、這就又讓人閉眼、講馬上就出發了。

若者は、言われた通りに目をつぶりました。
年輕人按照交待幫眼睛一閉。

するとすぐに、少女が声をかけました。
「どうぞ、目を開けてください」
等小女兒喊自己開眼的時候就過已經到邊了。

若者が目を開けると、二人はいつの間にか、とても立派な門の前に立っていました。
眼睛一開、兩人過就又處一座宮殿的門前了。

「わたしについて、中へお入り下さい」
跟我進屋。

少女と一緒に門をくぐると、中には立派な家が、いくつも建ち並んでいます。
年輕人這就跟到別個屁股後面一路尾隨、發現這地方真是廣、這裡那裡建的都是屋。

その間を通って奥に入っていくと、正殿(せいでん)と思われるところに来ました。
冬拐八拐、拐到最裡面的正殿了。

それはまた一段と美しく、柱も床も壁も、いろいろの宝石で飾られています。
這裡面又是更加的不同了、個個地方都是鑲金加上玉石的裝飾。

やがて奥から、一人の老人が現れました。
屋裡簾子後頭這又出來一條老杆子。

年は六十歳ぐらいで、長い白ひげを生やし、美しい着物を着た立派な人です。
看歲數估計六十也有了、頭髮是白完了、一身華貴的衣裳身上一披。

「さあ、もっと奥の方にお通りください」
這就幫年輕人還往裡屋開始邀。

老人は若者を、上座(かみざ)へと通しました。
到了內室、招待了年輕人上座。

「このたびは、何とお礼を申しあげてよいやら。あなたさまのおかげで、娘が命拾いをいたしました。申し遅れましたが、わたしは、ここの主人の竜王でございます」
談正事了、問年輕人怎麼答謝才好啦、救了自己的女、眼前人則正是這裡的龍王。

老人はていねいに、頭を下げて言いました。
樣子也和善的講起自己的想法了。

「今日のお礼のしるしに、にょいの玉を差し上げたいと思いました。この玉を持っていれば、願いが何でもかなえられるのです。しかし日本の人は心が悪いから、お持ち帰りになっても、願いがかなえられるかどうか。それでその代わりの物をさしあげましょう。これ、そこにある箱を持ってきなさい」
講本來是想讓你取塊如意走、但現在人的心性較遠古之前已退化好多、就算是許了願這都不一定能成哦、那裡裝到個箱子、你過取那條上算。

老人の声に、召使いがきれいなもようのついた箱を持ってきました。
龍王講完這話、箱子也是被家丁擺到面前來了、看外觀就是條寶箱。

ふたをとってみると、中には金のもちが入っていました。
開蓋、裡面放到條金粑粑。

大きさは、三寸(さんすん→約9センチ)ぐらいです。
兩口就幹完那麼大個。

老人はそのもちを取り出すと、手で半分に割り、残りの半分をもとのように箱におさめました。
龍王取出粑粑、兩個手撕了一半、另外一半又收回箱中。

そして、
「これは、一度に使ってはいけません。必要な時に必要なだけを切ってお使いになれば、一生、お金に困るような事はないでしょう」
要就撕一半、反正怎麼都要跟自己留點、莫完全用完起來、這麼到你過也後半輩子無憂了。

と、言って、その箱を差し出しました。
當場演示了一遍之後龍王幫年輕人交待了箱子

「ありがとうございます。きっと、大切にいたします」
年輕人就道了謝。

若者が礼を言うと、少女が言いました。
「元の場所へお送りいたしますから、しばらく目をつぶっていてください」
這時、小女兒也喊年輕人閉眼了、講要送別個上岸。

そして目をつぶったかと思うと、もう、元の池のそばに帰っていました。
等再一開眼、人過又是回到池邊了。

「わたしは、ここで失礼いたします。今日の事は、いつまでも忘れません。本当にありがとうございました」
そう言ったかと思うと、少女の姿は消えていました。
女兒跟年輕人表達了自己最後的謝意、也是講永世不忘、這也過徹底不見了。

さて、若者が家に帰ってくると、家の人はもちろん、近所の人たちもびっくりして口々に尋ねてきました。
但這過等人到了屋、不管是鄰居還是屋裡人都一個個潽上來追到問。

「今まで、どこでどうしていたんだ?」
問這麼久時間連個音訊都㫘得、這人是跑哪裡去了。

「お寺にお参りすると言って家を出たまま、何年も帰って来ないので、死んでしまったかと思っていたよ」
你講你去廟裡面拜、那麼幾年也㫘看你出來過啊、這連喪事都跟你辦好了。

これには、若者の方がびっくりです。
這過就年輕人驚訝了。

竜王のところにいたのは、ほんの短い時間でしたが、それが家を出てから、もう何年もたっていたのです。
自己就這麼一下、外面都已經是恍若隔世了。

(まるで、浦島太郎だ)
還真讓自己親自當了回浦島太郎。

若者は、だれにも竜王のご殿に行った事は話しませんでした。
而年輕人對自己此行是閉口不提。

そして、お金のいる時には金のもちを切って、必要な物を買いました。
回到屋、等到㫘錢的時候就撕一點金粑粑、買點物資回來。

不思議な事にこのもちは、いくら切っても、次の日には元の大きさに戻っていました。
也是講跟自己留點、省到省到用、但後面發現這盒中粑粑是神奇、不論撕去好多、這第二日都會恢復原貌。

こうして貧乏な若者は、すっかり大金持ちになり、一生を裕福に暮らす事が出来ました。
搞到這條秘密印鈔機、確實是也後半生無憂了。

やがて月日がたち、若者も老人になってしまいました。
日子久了、人也老了去、變成條老杆子啦。

そして死んでしまった時、金のもちは、ふっと消えてしまったそうです。
等到人入土徹底死了去、這粑粑也是瞬間消失、和主人的秘密一起埋葬了去。

おしまい
结束

前のページへ戻る
(回到上一页)

    10月11日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ウインクの日
きょうの誕生花
姫リンゴ(ひめりんご)
きょうの誕生日・出来事
1973年 金城武(俳優)
恋の誕生日占い
頭が良くてしっかり者のお姉さん
なぞなぞ小学校
医者が濡れたままの県は?
あこがれの職業紹介
スウェディッシュセラピスト
恋の魔法とおまじない 285
パニックをおさめる
 10月11日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
おキツネのお産
きょうの世界昔話
おしゃべりな王さま
きょうの日本民話
金のもち
きょうのイソップ童話
タカとトンビとハト
きょうの江戸小話
のんべえ親子
きょうの百物語
大工と大入道

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ