福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 6月の世界昔話 > 大きな家と小さな家
6月23日の世界の昔話
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
※ 画像クリックで、大イラストを表示
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/01.jpg)
イラスト : にしがきゆうこ おはなしあっつこっつ
大きな家と小さな家
グリム童話 →グリム童話の詳細
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「おはなしあっつこっつ」 おはなしあっつこっつ
本編+おはなしアニメーションのひみつ
投稿者 「おはなしあっつこっつ」 おはなしあっつこっつ
むかしむかし、神さまは旅の途中(とちゅう)で、二軒の家を見つけました。
大きくて立派(りっぱ)な家と、小さくて古い家です。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/03.jpg)
神さまは初めに、大きくて立派な方の家のドアを叩き、
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/04.jpg)
「どうか、一晩泊めてください」
と、頼みました。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/05.jpg)
その家の主人は、ボロボロの服を着た旅人がまさか神さまだとは思わずに、すぐにこう言いました。
「家は、どの部屋もいっぱいでね。ほかへ行ってください」
次に神さまは、隣の小さくて古い家の主人に同じ事を頼みました。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/06.jpg)
↓↓↓
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/07.jpg)
すると今度の主人と、そのおかみさんは、
「どうぞ、中へ入ってお休みになって下さい」
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/08.jpg)
と、言って、そまつだけれど心のこもった食事を出してくれたのです。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/09.jpg)
そしてその夜は、
「長旅でお疲れでしょう。わたしたちのベッドで寝てください」
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/10.jpg)
と、言って、自分たちは床に寝ました。
次の朝、神さまが言いました。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/11.jpg)
「もし、願い事が三つかなうとしたら、何を願いますか?」
「一つは、わたしと妻が二人で天国へ行ける事。二つは、それまでずっと元気で働ける事。それだけです」
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/12.jpg)
↓↓↓
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/13.jpg)
「では、三つ目の願いとして、この家を新しく大きくしてあげましょう」
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/14.jpg)
↓↓↓
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/15.jpg)
神さまは三つの願いを、かなえてあげました。
それを知った大きな家の主人は急いでウマに乗り、神さまを追いかけました。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/16.jpg)
↓↓↓
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/17.jpg)
↓↓↓
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/18.jpg)
そして、言ったのです。
「わたしだって、本当はあなたを泊めるつもりだったんだ。
だからわたしにも、願い事をかなえてくれてもいいはず。
さあ、願いをかなえてください」
と、むりに神さまにお願いの約束をしてもらい、男は一生懸命願い事を考えました。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/19.jpg)
ところがウマがあんまりはねるので、イライラして叫びました。
「せっかくいい願いを、思いつきそうだったのに!! この馬鹿ウマめ!! 首でも取れてしまうがいい」
するとウマの首が、本当にポトンと落ちてしまったのです。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/20.jpg)
一つ目の願いが、かないました。
ウマが死んでしまったので、男はウマのくらを背負って歩かなくてはなりません。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/21.jpg)
そのうちに、だんだん腹が立ってきました。
「今ごろ、かみさんは家でのんびりしているに違いない。ちぇっ、あいつこそ、この思いくらにずっとひっついてりゃいいんだ」
すると男の背中から、くらが飛んでいきました。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/22.jpg)
二つ目の願いも、かなえられたのです。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/23.jpg)
男が家に帰ると、おかみさんはウマのくらに乗ったまま、おりられずにいました。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/24.jpg)
↓↓↓
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/25.jpg)
男は最後の願いとして、世界中のお金が欲しいと思いましたが、おかみさんに、
「今すぐ、このくらからおろしておくれよ。はやく!!」
と、怒鳴られて、しぶしぶくらからおりられるように願いました。
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/26.jpg)
三つの願いは、それで終わりになりました。
おしまい
![大きな家と小さな家](../../../new/w_gazou/0623/600/27.jpg)
|