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福娘童話集 >日本民间故事 >二月
爪と牙を取られたネコ
去爪拔牙猫
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、ある商人がネコを飼っていました。
很久很久以前,某商人养了有一只猫。
お正月が近づいたので、商人の家で働いている小僧さんたちが餅をつき始めました。
新年将至,商人家侍奉的小僮们也开始捣年糕了。
餅の大好きなネコは、うれしくてたまりません。
超喜欢年糕的猫高兴的不行。
(よしよし、お正月には餅をたっぷり食べさせてもらえるぞ)
这下好了,正月一来就可以尽情享用年糕了。
餅つきの次の日は、天気が良いのですす払い(→掃除)をする事になりました。
捣年糕的第二天,天气还行就开始了纳福祓秽的扫除。
ネコは邪魔になるといけないと思い、外に出て家の屋根に登りました。
猫不想妨碍,出门爬上了屋顶。
すると、長いささぼうきを持った小僧さんが出て来て、
过了一会,拿着长竹扫小僮也上了屋顶。
「今から屋根の掃除をするから、家の中へ入っていろ」
现在开始清理屋顶,你进到屋里去。
と、言うのです。
这样说。
ネコが慌てて家の中へ入ろうとすると、今度は主人が言いました。
猫赶忙打算进屋的时候,这次的主人说。
「お前にウロウロされてはすす払いが出来ないから、外へ出ていろ」
你到处乱晃扫除就完成不了了,到外边去。
さて、ネコは困りました。
这下,猫就很焦虑了。
外へ出れば小僧さんに、
这去外边,就给小僮呼进来。
「中へ入っていろ」
你给我去里边
と、言われるし、中へ入ろうとすると主人に、
这准备进里面,又给主人唤出去。
「外へ出ていろ」
你给我去外面。
と、叱られます。
讨不了好。
(一体、どこにいればいいんだ?)
这得是要怎样办啊?
ネコは仕方なくはしごを伝って、天井裏(てんじょううら)へ登って行きました。
猫没有办法只能顺着梯子上到了天花板里面。
するとそこにはネズミたちが集まっていて、下の騒ぎは自分たちを追い出す為だと思い込み、おびえた顔をしていたのです。
于是上面聚集的老鼠们以为下面的骚动是要来驱逐自己了,一副哆嗦得表情。
そしてネコを見ると、ネズミの親分が言いました。
大老鼠这一看上来的是猫。
「こうなっては仕方がない。みんな、覚悟を決めて戦うぞ」
大家,这没办法了,只能硬上了。
ところがネコはネズミに飛びつくところか、親分の前に行って頭を下げました。
可是别说扑向老鼠了,猫进到大老鼠跟前低下头。
「待ってくれ。今日は、お前たちを食う為に来たんじゃない。何もしないから、今日一日ここへ置いてくれ」
稍微等一下,我今天不是来吃你们的。我什么也不做,只求留在这一晚。
「それはまた、どういうわけだ?」
这又有什么说法?
「実は家のすす払いで、わしのいるところがないのだ。どこへ行っても邪魔者扱いで、くやしいったらありゃしない」
实际上屋子里在大清扫,没有我的立足之地,去那都沦为妨碍,我心里不好受。
「それじゃ、下の騒ぎはおれたちを追い出す訳ではないのだな」
这么说,下面的乌里哇啦不是要来赶走我们咯。
「ああ、いくらすす払いと言っても、こんな天井裏まで掃除する人間はおらん。だから安心するがいい」
啊,再怎么大扫除,这样的天花板里来扫除的人也不会有,所以能可安心。
「何だ、そうだったのか」
什么嘛,原来是这样啊。
ネズミたちはホッとして、お互いに顔を見合わせました。
老鼠们安稳开来,相视而望
そしてネズミの親分が、急に威張った態度で言いました。
然后大老鼠,突然采取示强的态度。
「今日一日、ここに置いてやってもいいぞ。だが家賃(やちん)の代わりに、お前さんの足の爪と牙を残らず渡してくれ」
让你在这住一天也不是不行,但是作为房租,得把你的爪牙一个不留的上缴。
「何だって! 爪と牙はネコの大切な武器だぞ!」
什么,爪牙对猫老说是重要的武器。
「嫌なら、すぐにここから出て行ってくれ。家賃も払わずにここにいるつもりなら、わしらにも覚悟がある。ここにいるみんなが死ぬ気でかかれば、お前さんを倒す事も出来るだろう」
不乐意的话,就马上从这里给我离开。房租也不打算就缴就要强留的话,这边也是做好准备的,这里所有的老鼠破釜沉舟,打倒你也是可行的把?应该。
それを聞いて、ネズミたちが一斉に立ち上がりました。
听到这个,老鼠们一齐站起来了。
確かにこれだけの数なら、ネコに勝ち目はありません。
确实如此之数,猫并无胜算可言。
「わかった。わかった。お前の言う通りにするよ」
我知道了,知道了,就按你说的办。
ネコは泣く泣く、爪と牙を抜いて親分の前に差し出しました。
猫哭哭啼啼的,拔了爪和牙给大老鼠呈了上去。
「よし、確かに家賃は受け取った。今日一日、ここでゆっくり過ごすがいい。・・・ただし、どんな事があっても、わしらの体には指一本触らないこと。と言っても、武器を無くしたお前さんなんて、怖くないがね」
好得,这下房租也有了,好好享用今天这一日吧,但是,无论发生什么事,你的手指头连我们的一下都不准碰。话是这样说拉,无爪牙之利,你也不可怕了。
やがて夕方になって、すす払いも終わったらしく、家の中が静かになりました。
总算是暗了天,结束了扫除的屋子也静了下来。
「では帰るよ。お世話になった」
那么这边也走了,劳烦了。
ネコは天井裏から降りると、家の中に入っていきました。
猫从天花板下到了屋子里。
すると小僧さんたちがネコを見つけて、つきたての餅を持って来てくれました。
于是小僮们发现了猫,给带来了刚捣好的年糕。
「お前、餅が大好きだろ。さあ食べな」
你最喜欢年糕的吧。好了快吃吧。
でもネコは牙が無くなってしまったので、餅どころかご飯も満足に食べれません。
但是猫没有爪和牙,别说年糕了,连饭都不能好好的吃了。
(ふん、さんざん邪魔者にしておきながら、何を言うか)
哼, 给我添了大麻烦,还敢若无其事的说了。
ネコは腹を立てて、こたつの中へ潜り込みました。
猫气呼呼,钻被炉里去了。
するとそこへ、主人がやって来て、
这次是主人过来了。
「こら、何を寝ている。お前はネズミに餅を取られない様に、しっかり番をしていろ」
喂,干什么睡觉了,注意不要让年糕给老鼠偷了去,好好的看着。
と、言って、ネコを台所へ連れて行ったのです。
如是,吩咐,把猫带到了厨房。
ネコは仕方なく台所に座って、むしろに広げられた餅をうらめしそうに見張っていました。
猫没办法只能坐在案板上,对筵蓆上摊开的年糕含恨的守望着。
さて、みんなが寝静まった頃、急に天井裏が騒がしくなって、ネズミたちが親分を先頭にゾロゾロと降りてきました。
时逝,大家都睡熟了,突然天花板里闹腾起来,以大老鼠为首的老鼠大军一个个落了下来。
「さあ、みんな、餅をどんどん運ぶのだ」
听好了,大家,把握好节奏给我把年糕搬啊。
親分は、ネコを見ても気にしません。
大老鼠看见有猫也不在意。
ネコはたまりかねて言いました。
猫遭不住问了一声。
「おいおい、わしが見えないのか? 餅を持って行くと承知(しょうち)しないぞ」
喂,你是没有看见我在吗?敢把年糕搬走的话后果自负啊。
それを聞いて、親分が笑いました。
听到这个,大老鼠乐呵呵。
「承知しないと言っても、爪も牙もなくてどうするつもりだ?」
你说会发生什么你不负责,没了爪牙了的你是还能怎样了?
「それは、・・・・・・」
这。。。。。
ネコは、何も言い返す事が出来ません。
猫也没话说了。
悔しいけれど、ネズミたちが餅を運ぶのを見ているより仕方ありませんでした。
即便悲丧,也只能看着老鼠们一个一个把饼运,没有一点办法。
「さあ、餅をどんどん運ぶんだ」
听好了,节奏控好,把饼搬啊。
やがてすっかり餅を運び終えた親分は、ネコを振り返って言いました。
终究年糕是给老鼠搬空了,指挥完大老鼠回头望了一眼猫。
「それじゃ、よいお正月を」
那么也,祝你过个好年啊。
さて次の朝、台所にやって来た主人は餅がすっかり無くなっているのを見て、ネコを叱りつけました。
于是第二天一早,来厨房一看的主人见年糕一个也不剩了,给猫训斥了一顿。
「この役立たず。ネコのくせに、ネズミの番もできないのか!」
无能没用,明明是一只猫,连老鼠都守不住吗?
気の毒なネコは、泣きながら正月をおくる事をなりました。
遭孽的猫,只能哭着过完这个新年了。
一方ネズミの方は餅をたらふく食べて、楽しい正月をおくったそうです。
另一边,老鼠们畅食年糕,度过了一个愉快的新年。
おしまい
完结
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