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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >四月
4月15日の日本の昔話
カモとりごんべえ
权兵卫捉野鸭
翻訳者 広東省恵州学院 謝妍佳
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、あるところに、カモ取りのごんべえさんという人がいました。
很久很久以前,在某个地方有一个名叫权兵卫的人,他是抓野鸭子的。
ある朝、ごんべえさんは、近くの池へ行ってみてビックリ。
有一天早晨,权兵卫到附近的池塘边一看,吓了一跳。
仕掛けておいたワナに、数え切れないほどのカモがかかっていたのです。
有数不清的野鸭子掉进他事先就已布下的圈套里。
おまけに池には氷が張っているので、カモたちは動けずにいる様子です。
加上因为池塘里冰结成一片,鸭子们现在都无法动弹的样子。
ごんべえさんは大喜びでワナのアミを集めると、池の氷が溶けるまで見張る事にしました。
权兵卫非常高兴地聚拢着罗网后,决定留在这里看守着鸭子,直到池塘里的冰融化。
そしてうっかり居眠りしてしまい、気がついた時には、もう池の氷は溶けていたのです。
然后,权兵卫却不小心睡着了。等到他醒过来的时候,池塘里的冰已经融化了。
「おっと、大変」
“哎呀,大事不好了!”
あわてた時は、もう遅く、目を覚ましたカモたちがバタバタバタと飛び立ち、それと一緒にごんべえさんもカモたちに引っ張られて空へ舞いあがってしまいました。
在他慌慌张张抓住网的时候,已经太迟了。睡醒了的鸭子们都扑打着翅膀飞起来,权兵卫也被鸭子们一起拽着飞上了天空。
カモたちはごんべえさんをぶらさげたまま、野をこえ、山をこえ、谷をこえ。
野鸭们就这样一直拎着权兵卫飞过平原,飞过山脉,飞过溪谷。
「たっ、たすけてくれー!」
“救、救命啊!”
叫んでいるうちに、うっかりアミを離してしまいました。
就在他大喊大叫的时候,不小心松手放开了网。
ごんベえさんは、まっさかさまに空から落っこちると、畑で働いていたお百姓(ひゃくしょう)さんの前へ、ドスン!
权兵卫头朝下从空中往下掉,“咚”的一声掉落在正在田里干活的农民面前。
「なになに、カモをつかまえようとして、反対にさらわれたって?」
“什么什么,你说你本想抓鸭子的,却反过来被鸭子掳走?”
話を聞いたお百姓さんは、気の毒に思って、
听说了权兵卫的事,农民觉得他很可怜,便对他说:
「どうだい、ここでしばらく暮らしていっては」
“不然暂时在这里住下怎么样?”
「はい、よろしくお願いします」
“谢谢,那就拜托你了。”
こうして次の日から、ごんべえさんは畑をたがやしたり、種をまいたり、一生けんめいに働きました。
就这样从第二天开始,权兵卫就在田里拼命干活,耕地呀,播种之类的。
そんなある日、アワ畑で刈り入れをしていると、三本だけ特別に大きな穂をつけたアワがありました。
有一天,权兵卫正在稻田里收割,发现只有三根水稻上附着特别大的穗。
「ようし、こいつを刈ってやれ」
“太好了,就割下这些!”
手元へ引き寄せて穂を刈ろうとしたとたん、茎がバネの様にビョーンと、はね返ったから大変です。
他把水稻拉近到手边,刚要收割的时候,水稻的茎却像弹簧一样反弹回去,糟糕!
「たっ、たすけてくれー!」
“救、救命啊!”
ごんべえさんはピューと飛ばされて、遠く離れたかさ屋のお店の前へ、ドスン!
权兵卫“咻”地一下子被弹飞出去,“咚” 的一声,掉落在离田地很远的一家卖雨伞的店门前。
「なになに、アワを刈ろうとして、飛ばされたって?」
“什么什么?你说你想要收割水稻,却被水稻弹飞了?”
話を聞いたかさ屋の主人も、気の毒に思って、
雨伞店的主人听了权兵卫的话,也觉得他很可怜,就说:
「それでは、しばらくここで働いて、お金をかせいでいくがいい」
“那么,暂时在这里工作,赚点钱,怎么样?”
「はい、よろしくお願いします」
“谢谢,那就拜托你了。”
こうして次の日から、ごんべえさんはお店の手伝いをして、せっせと働きました。
就这样从第二天开始,权兵卫就在店里帮忙,勤奋干活。
そんなある日、出来上がったかさを干そうとしていると、風がピューと吹いて来て、ごんベえさんはかさと一緒にまたまた空の上です。
有一天,正想要把刚刚做好的雨伞晾干,突然“咻”地吹来一阵风,又把权兵卫和雨伞一起吹到了天上。
「なんだって、こう飛ばされてばかりいなけりゃならないんだ」
“这是怎么回事?可不能就这么一直飞下去啊。”
ブツブツ言いながら飛ばされていくうちに、屋根の様な所に足が着きました。
就在他一边嘟囔一边飞的时候,脚落在了像屋顶一样的地方。
「フー、やれやれ、助かった。誰かさんの家の上に降りたらしいぞ。・・・へぇ!?」
“呼~哎呀呀,总算得救了。好像是落在了谁家的屋顶上。啊?!”
ところがそこは、なんとお寺の五重の塔のてっぺんだったのです。
可是这里好像正是寺院的五重塔的顶峰。
「たっ、助けてくれー!」
“救,救命啊!”
そこへ走って来たのが、四人のお坊さんです。
四个和尚从那边跑了过来。
お坊さんは、持ってきたふとんを広げると、
和尚们把带过来的被子铺开后说:
「おーい、大丈夫かー? ここへ飛び降りろー」
“喂,你还好吧?朝这边跳下来吧。”
「そんなこと言っても、こわいようー」
“话虽这么说,可是看起来好像还是很恐怖~”
「大丈夫、大丈夫。しっかり持っているから、はやく飛び降りろー」
“没事,别怕,我们抓得很紧,快点跳下来吧。”
こうなったら、仕方ありません。
事已至此,没有别的办法了。
「よっ、ようし。飛び降りるぞ。それ、一、二の三!」
“好,好吧。我要跳下去了。一、二、三!”
ヒューーーン、ドスン!
“咻——”“咚”
ごんべえさんは見事、ふとんのまん中へ飛び降りました。
权兵卫整个往被子的中央跳了下去。
しかしそのひょうしに、ふとんを持っていたお坊さんたちの頭がぶつかり合って、お坊さんたちの目から火花が飛び出しました。
可是就在这个时候,权兵卫撞到了拿着被子的和尚们的头,从和尚们的眼里冒出了火花。
そしてその火花があたりへ飛んで、五重の塔が焼け、お寺が焼け、何もかもが残らず焼けてしまったということです。
然后火花四处飞溅,五重塔被烧了,寺院被烧了,什么都没留下,全被烧尽了。
おしまい
結束
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