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9月22日の世界の昔話
ほらふき男爵 怪魚のお腹に閉じ込められた話2
ビュルガーの童話 → ビュルガーの童話の詳細
わがはいは、ミュンヒハウゼン男爵(だんしゃく)。
みんなからは、『ほらふき男爵』とよばれておる。
今日も、わがはいの冒険話を聞かせてやろう。
以前、巨大魚に飲み込まれた時の話をしたが、魚と言えばもっと大きな奴に飲み込まれた事もあるぞ。
何、二度も魚に飲み込まれるとは、男爵らしくないだって?
まあ、そう言うな。
魚と言っても、その魚は島のように大きく、わがはいは船ごと飲み込まれてしまったのだから。
魚の腹の中と言うのは、とてもジメジメしていて、おまけにまっ暗だ。
船の船員たちは気味悪がって船から出ようとはしないが、わがはいは勇敢に魚の腹の中を探検した。
するとこの魚の腹には、何と世界中の人々が船ごと飲み込まれているではないか。
これだけの人間がいれば、ここから脱出するのも夢ではない。
だが先に飲み込まれていた彼らは、お互いに言葉が通じないので、みんなで協力する事ができなかったのだ。
ここで、世界中を冒険して、どの国の言葉でもある程度は話せるわがはいの出番だ。
わがはいはさっそくみんなを指揮(しき)して、一番大きな船の帆柱(ほばしら)を二本つなぎ合わせた。
そして魚が口を開けるのを待って、魚の口が開いたすきにみんなでその帆柱をつっかい棒にしたのじゃ。
わがはいの作戦は、見事に成功。
われわれは三十五せきの船に乗って、無事に大きな魚の腹から逃げ出したのだ。
今日の教訓は、『船に乗ったら、魚に飲み込まれないように注意しよう』だ。
もっとも、どう注意すれば良いのかは、わがはいにも分からぬが。
では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。
おしまい
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