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5月23日のイソップ童話
借金をしたアテネの男
アテネの町のある男が、お金をたくさん借りていました。
貸した人がきて、早くお金をかえせといいましたが、
「わたしはびんぼうで、とてもお金はかえせません。しばらく待って下さい」
と、たのみました。
しかし、あいてはしょうちしません。
そこで男は、たった一匹だけかっていたメスのブタを連れてきて、
「見ていて下さい。これが売れたら、お金をかえします」
と、いいました。
まもなく、ブタの買い手があらわれました。
「このブタは、たくさん子どもをうむかね」
「ええ、どっさりうみますとも。これはとくべつなブタなのです。なにしろ秋の祭りには、メスの子どもだけをたくさんうみますし、夏の祭りには、オスの子どもばかりうむのですよ」
買い手が聞いてビックリしていますと、お金を貸した人がそばからいいました。
「あなた、こんな事でおどろいてはダメですよ。このちょうしだと、今にこのブタは、春の祭りには子ヤギをたくさんうむことになりますからね」
少しでもお金をもうけるために、ありえないうそでも平気でいう人が、このアテネの男にかぎらずたくさんいます。
おしまい
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