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5月2日のイソップ童話
ライオンとイルカ
♪音声配信
亜姫のイソップ童話より
ライオンが海岸をさんぽしていると、イルカが水から頭を出しているのが見えました。
「やあ、イルカくん。どうだね、ぼくと同盟(どうめい)をむすばないか」
と、ライオンは話しかけました
「なにしろ、きみは海の動物の王さまだし、ぼくは陸の動物の王さまだから、われわれがなかよしになって同盟をむすぶのは、じつにいいことだと思うのだが」
イルカはよろこんで、賛成しました。
さて、このライオンは、ずっと前から野生のウシと戦争をしていたので、あるときイルカに応援(おうえん)をたのみました。
イルカは水から出てライオンの応援をしようと思いましたが、イルカは海の動物なので、どうしても陸へ出ることができません。
「ひどいじゃないか、味方をうらぎるなんて」
と、ライオンはイルカをなじりました。
するとイルカは、
「ぼくをせめたってだめだよ。生まれつき海でくらすようになっているのだから、どうがんばっても、陸を歩くことはできないのさ」
「しかし、ぼくと同盟をむすんだだろ。ぼくなら同盟をむすんだ味方をうらぎったりしないぞ」
「ああ、そうだね。ならきみは、ぼくたちがクジラと戦争するときは、海に飛込んでくれるんだね」
「そっ、それは・・・・・・」
わたしたちも友だちを作るときは、いざというときにちゃんと力を貸してくれる人を、えらばなくてはなりません。
おしまい
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