|  |  | 福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 6月の世界昔話 > 3匹のクマ 6月22日の世界の昔話
 
  
 三匹のクマ
 イギリスの昔話 → イギリスの国情報
  むかしむかし、女の子が森で遊んでいると、遠くに家が見えたので行ってみました。その家は、三匹のクマの親子が住む家でした。
 トントントン。
 ドアをたたいてもへんじがないので、女の子はそっと中に入りました。
 台所のテーブルの上に、大きいおわんと、中くらいのおわんと、小さいおわんがありました。
 どのおわんにもスープが入っていたので、女の子は一口ずつのんでみました。
 「小さなおわんのスープが、いちばんおいしいわ」
 おなかがすいていた女の子は、小さいおわんのスープを、すっかりのんでしまいました。
 居間(いま)には、イスが三つありました。
 大きいイスは高すぎます。
 中くらいのイスは、すわりごこちがよくありません。
 小さいイスは、女の子にピッタリです。
 ゆらして遊んでいたら、
 ドシン!
 イスがこわれて、女の子はしりもちをついてしまいました。
 となりのへやには、ベッドが三つありました。
 大きいベッドは広すぎるし、中くらいのべッドはかたすぎます。
 「小さいベッドは、ちょうどいいわ」
 女の子は小さいベッドにもぐりこんで、ねむってしまいました。
 しばらくすると、三びきのクマが帰ってきました。
 「おや、わしのスープをのんだのは、だれだ?」
 「まあ、わたしのスープをのんだのは、だあれ?」
 お父さんグマとお母さんグマが、うなりました。
 ちびグマが、なき声でいいました。
 「あーん、だれかが、ぼくのスープをのんじゃった!」
 居間に行くと、
 「おや、わしのイスにすわったのは、だれだ?」
 「まあ、わたしのイスにすわったのは、だあれ?」
 お父さんグマとお母さんグマが、うなりました。
 そして、ちびグマは、
 「わーん、だれかが、ぼくのイスをこわしちゃったあ!」
 と、なきだしました。
 三びきのクマは、となりのへやに行ってみました。
 「おや、わしのベッドにねたのは、だれだ?」
 「まあ、わたしのべッドにねたのは、だあれ?」
 お父さんグマとお母さんグマが、うなりました。
 ちびグマが、さけびました。
 「見て! ぼくのベッドにだれかがいるよ」
 目をさました女の子は、ビックリ。
 「きゃあああーっ!」
 あわててまどから、にげていきました。
 おしまい       
 
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