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1月3日のイソップ童話
ごちそうに招かれたイヌ
ある人が、友だちをもてなすつもりで、ごちそうのしたくをしていました。
その人の飼っているイヌは、自分も友だちのイヌに、
「きみ、ぼくのところへ、ごちそうを食べにきたまえ」
と、いって、招待しました。
招かれたイヌは、ほくほくしてやってきました。
そして、いっぱいに並んだごちそうを見て、心の中で、
(すごいなあ。ぼくの為に、こんなうまそうな物が出てる。夢の様だなあ。よーし、腹いっぱいどんどん食べて、あしたは一日中、腹がへらないようにしてやろう)
と、考えながら、しきりに尻尾を振っていました。
友だちのイヌを信用しきっているので、全部、自分の為のごちそうだと思っていたのです。
その家のコックは、さかんに尻尾を振っているイヌを見つけたとたん、足をつかまえて窓の外にポンと放り出してしまいました。
イヌはキャンキャン鳴きながら、逃げ帰りました。
その途中で、ほかのイヌたちに会いました。
中の一匹が、
「きみ、ごちそうはどうだったの?」
と、聞きますと、このイヌは本当の事をいうのが恥ずかしいので、
「いやあ、お酒を飲み過ぎて、すっかり酔っぱらってしまってね。どこからどうやって出てきたか、覚えていないくらいなんだ」
このお話しは、自分にはお金がないのに、ほかの人をあてにして、気前の良い事をいう人を信用してはいけないと教えています。
おしまい
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