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2月28日の世界の昔話
大きなカブ
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むかしむかし、ある村に、大変働き者のお百姓さんがいました。
お百姓さんは毎日毎日、一生懸命に畑仕事をしています。
ある年の事です。
お百姓さんは畑にカブの種をまきましたが、どうしたわけかカブはたった一本しか芽を出しません。
ところがその一つのカブが、ぐんぐんぐんぐん大きくなり、ついには人が三人も手をつながなければかかえられない程の大きさになったのです。
「こいつはたまげた。こんなにでっかいカブなんて、見た事も聞いた事もない」
「これは、カブの王さまじゃ。いや、カブの化け物じゃ」
近所の人たちも、そう言って驚きました。
とても珍しいカブなので、お百姓さんは王さまに差し上げようと考えました。
そこで大きなカブを荷車に乗せて二匹の牛に引かせると、王さまのお城へ行きました。
「おお、これは素晴らしい」
王さまは、カブを見てびっくりです。
「こんなに大きな物が作れるとは、感心じゃ。きっと、そなたが真面目に働いていたからであろう」
王さまはそう言って、たくさんのお金をお百姓さんにご褒美としてやりました。
さあ、この話は村中の評判になりました。
そして、この村に住む欲張りな男が、こう考えました。
「おれはカブなんかより、もっと良い物を王さまに差し上げて、もっとたくさんの褒美をもらってやろう」
そこで欲張りな男は自分の大切な馬に、お金をいっぱい積んで王さまのお城へ行きました。
そして馬ごと、そっくり王さまに差し上げました。
「これは、ありがたい」」
王さまは、とても喜びました。
「何か、お返しに褒美をやりたいが、お金の褒美がお金では変だな。・・・そうだ、あの珍しい大カブをつかわそう」
そう言って王さまは、お百姓さんからもらったカブを男にあげたそうです。
おしまい
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