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      9月16日のイソップ童話 
           
            
           
          ヘルメスと彫刻家 
           
          にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文 
           
          ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
          
           
          投稿者 : 神栖星花研究所 「神栖星花研究所」 
           
          ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
          
           
          投稿者 「眠りのねこカフェ」 
      
      
        商売の神ヘルメスは、あると時、自分が人間たちの間で、どのくらい尊敬(そんけい)されているかを知る為に、人間の姿になって一人の彫刻家のアトリエヘやって来ました。 
   見ると、神々の中で一番偉いゼウスの像があります。 
  「これは、いくらで売るのかね?」 
  と、ヘルメスは尋ねました。 
  「1ドラクマです」 
   ヘルメスは、にやりと笑って、 
  「じゃあ、そっちにあるヘラ(→ゼウスのおくさん)の像はいくらだ?」 
  「こっちの方が高いですよ」 
   ヘルメスは、自分をかたどった像もあるのに気がつきました。 
   何しろ自分は商売の神さまだし、ゼウスの神のお使い役も務めるくらいだから、きっと特別に人間からあがめられているだろうと思って、 
  「このヘルメスは、いくらだ?」 
  と、尋ねました。 
   すると彫刻家は、 
  「そうですねえ。ゼウスとヘラと二つとも買ってくれたら、これはおまけとして、ただであげますよ」 
  「・・・・・・」 
   
   このお話しは、誰からも尊敬されていないのに自分だけが偉い様な顔をしている、うぬぼれ屋に聞かせるお話しです。 
      おしまい 
         
         
         
        
 
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