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6月16日の日本の昔話
のさんの賭け
不该说的词
鹿児島県の民話 → 鹿児島県情報
翻訳者 広東省恵州学院 劉明霞
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、ある村に、とても意地悪で有名なお金持ちの親方がいました。
很久很久之前,有一个村有一个富翁因为心地很不好而出名。
ある日の事、親方は家の前に大きな看板を出しました。
有一天,他在家门前放了一块看板。
《三日の間、『のさん→難儀』と言わなければ、一日につき一両ずつ出す。ただし言えば、鼻を切る》
写着:三天时间内,如果不说到“のさん”这个词,我一天给他一两钱,但是如果说了这个词,就要被我刮掉鼻子。
すると一両につられて、一人の男が親方を訪ねました。
有一个男人被赏金诱惑了,就来拜访这个恶富翁。
親方に言われた通り昼飯も食べずに山で竹掘りをして、やっと掘った竹をかついで帰ると親方が、
按富翁说的,男子不吃午饭到山里挖竹子,终于扛着竹子回来了。富翁说,
「もう一本、掘ってこい。昼飯と夕飯は、その後で一緒に食わせてやる」
と、言ったのです。
“再去挖一根。午饭和晚饭等挖完回来后,你再一起吃。”
これを聞いた男が思わず、
「のさん」
と、言ってしまったので、男は親方に鼻を切られてしまいました。
听了之后,那个男人想都没想就说:“のさん”,结果就被富翁削掉鼻子了。
しばらくすると、また一人の男が親方を訪ねてきました。
不一会,又有一个人来拜访富翁。
その男は、一日目は何とか無事に過ごしたのですが、二日目は夕飯も食べさせてもらえなかったので、思わず、
「のさん」
と、言ってしまい、鼻を切られたのです。
那个人虽然第一天平安无事地度过了,第二天富翁不给他吃晚饭,然后他想都没想就说:“のさん”,结果鼻子也被削掉了。
またしばらくして、今度は利口そうな男が親方を訪ねてきました。
又过了不久,这回来拜访富翁的是一个看起来很聪明的男人。他对富翁说:
「看板を見てやって来た。『のさん』と言わねば一両をくれるとあるが、そうではなく、わしは親方と勝負がしたい」
“我看了看板,只要不说`のさん`就可以得到一两,我不想这样,我想和你决一胜负”。
「ほう、勝負とは?」
“什么胜负”,富翁问。
「わしが『のさん』と言えば、鼻ではなく首を切られてもよい。だが親方が『のさん』と言えば、親方の鼻を切らせてもらう」
“我要是说のさん的话,别说削掉我鼻子,把我头砍了也行,但是如果你说のさん的话就要被我削掉鼻子”,男人回答说。
それを聞いた親方は、笑いながら、
听了之后富翁一边笑一边说:
「いいだろう。わしは大金持ちだ。何不自由なく暮らしておる。このわしが『のさん』と言うはずがない」
と、言いました。
“可以啊,我是大富翁,生活没什么不自由的,这样的我肯定不会说のさん的。”
さて、親方はさっそく男に仕事を言いつけましたが、男は自分で弁当を持って行ったので、腹を空かさずに仕事を続けました。
之后富翁就立刻给男人布置了工作,男人自己带了便当,所以不用空着肚子工作。
二日目に、親方が言いました。
第二天,富翁说
「瓦(かわら)ふきが来るから、その瓦ふきのする通りにしろ」
“瓦匠一会就来,你那招瓦匠所做的跟着做。”
やがて瓦ふきが来て、古い小屋の屋根瓦をはがすのを見て、男は母屋(おもや)の屋根瓦をはがし始めました。
瓦匠来了之后,男人看见他揭开小旧屋的瓦片,也跟着开始揭正屋的瓦片。
そこに親方がやって来て、屋根がメチャクチャになっているのを見ると、
「ああっ、こっちのは、はがさんでもええんじゃ。のさんのことだ」
と、言ってしまったのです。
不久富翁来了,看到屋顶被弄得乱七八糟,就说:
“啊,傻也要有个限度,真是のさん的事情。”
これを聞いた男は、いきなり親方の頭を押さえつけると、
听了富翁的话之后,男人突然押住富翁的头,说:
「約束通り、親方の鼻を切らせてもらうぞ!」
と、言いました。
“按照约定我现在要削掉你的鼻子。”
親方は、まっ青になりながら、
「まっ、待て、わしが悪かった。財産の半分をくれてやるから、許してくれ」
と、泣いて謝りました。
富翁一听,脸色都变青了,哭着道歉说:
“等等,是我错了,我把我一半财产分给你。饶了我吧。”
こうして親方から財産の半分をもらった男は、先に鼻を切られた二人にも財産を分けてやると、どこかへ旅立っていきました。
就这样,男人拿了富翁的一半财产之后,分了一些给之前被削掉鼻子的两个人,就到处去旅行了。
おしまい
结束
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