童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集 福娘童話集 きょうの日本昔話 福娘童話集
福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 5月の日本昔話 > 旅人ウマ
     5月 6日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ゴムの日
きょうの誕生花
しゃが
きょうの誕生日・出来事
1972年 高橋尚子 (マラソン)
  5月 6日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
旅人ウマ
きょうの世界昔話
コウノトリ
きょうの日本民話
一日おくれのショウブ売り
きょうのイソップ童話
キツネとお面
きょうの江戸小話
いしゃちがい
5月 6日の広告


5月6日の日本の昔話

旅人ウマ

旅人ウマ

 むかしむかし、あるところに、ふたりのわかものがいました。
 ひとりは金持ちむすこで、もうひとりは、びんぼうむすこでしたが、ふたりはたいそうなかがよくて、いっしょに旅にでることにしたのです。
 テクテクと歩いていたある日のこと、山のなかで日がくれてしまいました。
 ふとみると、一けんの家があります。
 ひとばんとめてもらおうとたのむと、おばあさんがでてきて、なかへ入れてくれました。
 ふたりがねた、真夜中のこと。
 びんぼうむすこは、ふと目がさめて、ねむれなくなりました。
 となりのへやには、まだあかりがついています。
「ばあさまは、まだおきているのか。少し、はなしでもしよう」
 そうおもい、なかをのぞいてみると、おばあさんが火の気のないいろりにかがみこんで、いっしょうけんめいに灰をかきならしていました。
 そのかっこうが、なにやら田をたがやしているのににているので、
「おかしなことするもんだな」
と、かげからみていました。
 しばらくするとおばあさんは、ふところからふくろをとりだして、タネのようなものを灰のなかにバラバラとまきました。
 すると、みるみる芽がでてきて、なえがはえそろいます。
 おばあさんは、それをつまんでぬくと、田うえをするときのようにうえかえ、あれよあれよといううちに、かぶが二倍にふえて、それがまもなく黄色になって、たわわないねになりました。
 こんどは、それをかりとって実を落とし、それを手にとってギュウギュウギュウと三かいにぎると、もうまっ白いもちができあがっていました。
 ふしぎなこともあるもんだと、かんがえていったむすこは、きゅうに、ドロ沼にひきずりこまれるようなねむ気がさしてきて、ふとんにのめりこむようにしてねてしまいました。
 やがて夜が明けて、目をさましたむすこが、あれはゆめだったのだろうかと、ボンヤリとかんがえていると、
「あついお茶入れましたで、どうぞ」
と、おばあさんによばれました。
 金持ちむすこは、もういろりばたにこしをおろして、おばあさんと茶をのんでいます。
 そのそばに、ゆうべのもちがあります。
 びんぼうむすこは、金持ちむすこのそばにとんでいき。
「あやしいもちじゃあ、食わんほうがええぞ」
 しきりにそでひっぱったりして、教えましたが、
「うまそうなもちじゃのう、ひとつごちそうになろうか」
と、ほおばってしまいました。
 すると、たちまち金持ちむすこのからだが、ガクンと前におれて、あっというまにウマになってしまったのです。
「やはり、ゆめではなかった!」
 びんぼうむすこは、わけもわからず、おばあさんのところをにげだしました。
 けれど、なかよしの友だちをほうっておくわけにはいきません。
 あっちのもの知り、こっちの医者にと、たすける方法をきいてまわりましたが、だれも知っているものはいません。
 とほうにくれて、道ばたの石にこしをおろしていると、白いひげのおじいさんがとおりかかりました。
 むすこは、さいごのたのみとおもって、
「もの知りなおかたとおもうておたずねします。どうぞ、ウマになった友だちをたすける方法を教えてください」
と、たのみました。
 すると、おじいさんは、
「ここから東にいくと、ナスの畑がある。そこで、一本の木に七つ実がなっているのをさがして、食べさせよ」
と、教えてくれたのです。
 むすこは、おじいさんのいうとおり、東に歩いていきました。
 すると、おじいさんのいったとおりに、ナス畑があります。
 大喜びで、一本の木に実が七つなっているのをさがしてまわりましたが、一本の木に五つなっているのしかみつかりません。
 そこで、また東に歩いてみました。
 するとまた、ナス畑がありました。
 そこには、一本の木に実が六つのはありますが、七つのはありません。
 しかたなくまた東へ、東へと歩いていくと、また畑がありました。
 そこでやっと、実が七つなっているのをみつけることができました。
「これで、たすけられる」
 むすこはナスをふところにねじこんで、走りに走ってもどってきました。
 おばあさんの家へつくと、ウマはちょうど、のらしごとからかえってきたところです。
 さんざんぶたれたり、はたらかされたりしたらしくて、全身ドロだらけで、せなかの皮はむけて、血がにじんでいます。
 むすこはウマに近づくと、
「これを食え、食えばもとにもどれる」
と、ナスをとりだしました。
 すると、ウマはサクサクと四つ食べましたが、あとは頭をふって食べようとしません。
 むすこは、
「みんな食わんと、人間にもどれんのだぞ」
と、むりやり口のなかにおしこんで食べさせます。
 そうして、ちょうど七つめを食べおわったとき、ウマは大きくいなないてたちあがると、頭、胴と、だんだんに金持ちむすこのすがたにもどっていきました。
 ふたりのむすこは、手をとりあってにげだして、自分たちの村へかえっていきました。
 そこで金持ちむすこは、びんぼうむすこにざいさんわけてやって、なかよくくらしたそうです。

おしまい

一覧へ移動   このページを閉じる   ホームへ移動

きょうの日本昔話
ミニカレンダー
<<  5月  >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識
- 広 告 -