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7月7日のｲｿｯﾌﾟ童話



白鳥と主人

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より) はくちょう

♪音声配信

亜姫のイソップ童話より

　白鳥は、死に際に美しい声で鳴くと言われています。
　ある人が、白鳥が売りに出ているのをたまたま見つけました。
　美しい声で鳴く鳥だと聞いていたので、この人はその白鳥を買って帰りました。

　ある日、この人は大勢のお客を呼んで、宴会を開きました。
　それで白鳥を連れて来て、宴会の余興に歌を歌ってくれと頼みました。
　しかし白鳥は、ひと声も鳴きませんでした。
　怒った主人は、その日から白鳥にエサを与えませんでした。
　その後しばらくして、白鳥はもうじき死ぬ事がわかったので、悲しみながら美しい声で鳴きました。
　それを聞いた主人は、
「なんだ、お前は死にかけた時しか鳴かないのか。そうとわかっていたら、あのとき歌ってくれと頼む代わりに、お前を殺せば良かった。まあいい、目当ての鳴き声は聞けたのだから、お前は用なしだ。どこへでも行くがいい」
と、言って、白鳥を逃がしてやりました。

　他人に無理矢理命令しても、なかなか言う事を聞いてくれないものです。

おしまい