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    福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 3月の江戸小話 > 走る名人 
      3月9日の小話 
        
      走る名人 
        たいへん足のはやい男がおりました。 
   あんまり足がはやいので、みんなから、『走る名人』と、呼ばれています。 
   あるとき、『走る名人』が、どろぼうをおいかけていますと、向こうから友だちがやってきました。 
  「なんだなんだ、そんなにあわててどうした?」 
  と、友だちがきくと、この『走る名人』は、 
  「じつは、どろぼうをおいかけているんだ」 
  「なに! そのどろぼうは、どこだ、どこだ」 
  「ほれ、うしろから走ってくる」 
      おしまい 
                 
         
        
        
       
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