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彦一
Hikoichi

　彦一は、きっちょむさんや一休さんと共に、日本を代表するとんち話の主人公ですが、先の二人と違って、空想の人物といわれています。

英訳　Hikoichi, along with Kicchom-san and Ikkyu-san, is one of Japan's most famous heroes of wit stories. But unlike the first two, he is said to be an imaginary character.


　熊本県の球磨郡や八代郡に伝わる、木下順二の戯曲「彦一(彦市)ばなし」が有名ですが、彦一のお話しに似た話は全国各地にあり、代表的なものをあげると、鹿児島の侏儒(じゅじゅ)どん、佐賀の勘右衛門(かんね)、兵庫、岡山、島根の彦八(ひこはち)、石川の三右衛門(さんにょもん)、山形の佐兵(さひょう)などがあります。

英訳　The famous play "Hikoichi" by Kinoshita Junji, which was written in Kuma and Yatsushiro of Kumamoto Prefecture, is similar to the story of Hikoichi. However there are many other stories similar to the story of Hikoichi throughout the country, and some of the representative ones are: Juju-don in Kagoshima, Kan-emon in Saga, Hikohachi in Hyogo, Okayama, and Shimane, Sannyomon in Ishikawa, and Sahyo in Yamagata.

　きっちょむさんのお話とよく似ているといわれますが、実在の人物のきっちょむさんが主に相手をするのが庄屋さんであるのに対し、空想の人物の彦一が主に相手にするのが殿さまという違いがあります。

英訳　This story is said to be similar to the story of Kicchomu-san, but the main difference is that the real person, Kicchomu-san, mainly plays with the village headman, while the imaginary person, Hikoichi mainly plays with His Highness.



　日本昔話 「三大とんち者」

「一休さん」
　実在する人物で、周りを気にせず自分の生き方をつらぬいた人。

「吉四六さん」
実在する人物ですが、とんち話のほとんどはのちにつくられました。
頭の良い切れ者と、おろか者の二面があります。

※子供の頃の吉四六さんは「愚か者」のお話が多く、大人になると「ひねくれた切れ者」、そして晩年は「世話好き、子供好きな好々爺」となります。

「彦一」
　実在したかどうかは不明ですが、度胸と頭の切れは昔話の登場人物で一番です。
　名探偵コナンの「工藤新一」に匹敵します。

英訳　It's unclear if he actually existed, but his guts and cleverness are the best characters in Japanese folklore. It's comparable to Detective Conan's "Shinichi Kudo".

ワンポイントアドバイス。One of the "Three Great Wits" in Japanese folklore

英訳翻訳者　花田れん

彦一が登場する、主な昔話。

・若様はひとり
・盗っ人小僧
・八人の真ん中
・かるい帰り道
・あまのじゃくくらべ
・テングの隠れみの
・タヌキと彦一
・彦一のウナギつり
・彦一の生き傘
・切れない紙
・ほうびの米俵
・彦一とえんまさま