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6月15日のイソップ童話
アリとコガネ厶シ
夏のあいだ、アリは畑を歩きまわって、コムギやオオムギをあつめては、冬に食べるためにためていました。
コガネムシは、それを見て、
「そんなにせっせとはたらくなんて、あなたはどうかしていますね。いまは食べ物のたくさんあるいい季節で、はたらかないでもすむのだから。ほら、見てみなよ、ほかの生きものはみんな、のんびりと楽しくすごしているよ」
アリはそのときは、なにも答えませんでした。
やがて、冬がきました。
つめたい雨がウシのフンを流してしまうと、食べ物がなくてこまったコガネムシはアリのところへきて、
「アリさん、なにか食べ物を下さい」
と、たのみました。
するとアリは、
「ほらね、コガネムシさん。わたしがはたらいているのを、あなたはバカにしたでしょう。あのときにあなたもはたらいていれば、いま食べ物にこまることはなかったのに」
このコガネムシと同じで、人間でも景気のよいときに将来のそなえをしておかないと、いったん不景気になれば、ひどい貧乏(びんぼう)になってしまいます。
※この「アリとコガネムシ」は、有名な「アリとキリギリス」と同様に、もとの寓話である「アリとセミ」から変化したお話しです。
セミが、コガネムシやキリギリスに変化した理由は、お話しの伝わった国に、その昆虫がいなかったり、お話しを伝えた人が、勝手に昆虫を変えたりしたからです。
ほかにも、「アリとコオロギ」や「トンボとキリギリス」などがあります。
おしまい
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