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4月9日の小話
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身投げ
両国橋(りょうごくばし)の橋の番人が、とつぜん番所(ばんしょ→役所のようなもの)に、よびつけられました。
「まいばん、橋の上から身投げ(飛び込み自殺)があるそうではないか。なぜ気をつけぬ」
「へい」
「『へい』ではない。こんばんから、よく気をつけてみはれよ」
と、きつくいわれました。
さて、その夜から、橋の番人が、ゆだんなく、あたりをみはっていますと、あやしい人かげがあらわれて、橋から身を投げようとしています。
待ってましたとばかりに、橋の番人は、うしろから取り押さえると、
「おのれ、おまえだな、まいばん、まいばん、身投げをするのは」
おしまい
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