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4月28日の小話
法力
貸いしょう屋に、坊さんがやってきました。
「ご主人、ちと、赤いけさを貸してもらいたい」
と、坊さんがたのむと、主人は、
「へいへい、すばらしくよい色のけさがございますよ。して、どちらへお出かけで」
「うむ、明日、雨ごいをするのでな、雨降山(あめふりやま)へ」
それをきくと、主人は、さっと、けさをひっこめ、
「雨ごいでは、衣にしみがつきます。お貸しできませんな」
坊さんは、あわてて手をふり、
「まあまあ、ご心配なさるな、わしの法力(ほうりき→修行をして得た、ふしぎなちから)では、雨はふらぬわ」
おしまい
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