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    福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 11月の江戸小話 > おカメの嫁入り 
      11月21日の小話 
        
      おカメの嫁入り 
       「ツルは千年、カメは万年」 
  と、いう言葉がありますが、(※実際は日本に生息するツルの寿命は20〜30年、カメの寿命は30〜50年ほどです。)むかしから、ツルもカメもたいへん長生きをする、おめでたい生き物だと考えられてきました。 
   そのカメのむすめのおカメが、ツルのむすこの鶴吉(つるきち)と結婚することになりました。 
   おカメの母親は、大よろこびをしています。 
   ところが、どうしたわけか、むすめのおカメは、部屋のかたすみで、めそめそ泣いておりました。 
   母親が、おどろいて、 
  「近所の人たちも、『おカメちゃんには、にあいのおむこさんだ。』といわってくれているのに、何がそんなに悲しいのかい?」 
  と、ききますと、 
  「ツルちゃんのお嫁さんになるのはうれしゅうございますが、ツルちゃんの死んだあと、九千年もひとりでくらすのかとおもうと、それがつらくて、つい悲しくなるのです」 
      おしまい 
                 
         
        
        
       
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