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    福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 11月の江戸小話 > 絵ときのくすりぶくろ 
      11月13日の小話 
        
      絵ときのくすりぶくろ 
        むかしは、おいしゃさんの中にも、字をしらないひとがいました。 
   よみかきができないので、薬のざいりょうを入れたふくろには、それぞれの中身がわかるように、絵をかいておきました。 
   あるとき、このいしゃの友だちが遊びにきて、たずねました。 
  「その、さむらいの絵のかいたふくろは?」 
  「附子(ぶし→トリカブトの根をとって乾した生薬で、興奮や鎮痛の効果があります)といって、きつけや、いたみどめの薬にござる」 
  「そのとなりのえんまさまの絵は?」 
  「このふくろは、大黄(だいおう→タデ科の多年草で、黄色い根茎の外皮を取り、乾した生薬で、胃薬や下痢止めの効果があります)といって、はらくだしの薬にござる」 
  「して、そのとなりの、犬のチンが火にあたっている絵のふくろは?」 
  「陳皮(ちんぴ→みかんの皮を乾かした生薬で、せきやたんを押さえ、胃薬や風邪薬の効果があります)といって、せきどめや、いのくすりにござる」 
      おしまい 
                 
         
        
        
       
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