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7月18日の世界の昔話
天国のお百姓さん
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むかしむかし、信心(しんじん→神さまをうやまう気持ち)ぶかい、ひとりの貧乏(びんぼう)なお百姓(ひゃくしょう)さんが死んで、天国の門のまえにやってきました。
それとちょうどおなじとき、ひとりの大金持ちも、天国に入ろうとしてやってきました。
すると、聖ペテロがカギをもってきて門をあけ、お金持ちをなかに入れてくれました。
しかし、お百姓さんには気がつかなかったらしく、そのまま門をしめてしまいました。
お金持ちは天国で大歓迎をうけているとみえて、音楽の音や歌をうたう声が、そとにいるお百姓さんの耳にきこえてきます。
そのうち、またしずかになりました。
そして聖ペテロがでてきて門をあけ、ようやくお百姓さんをなかに入れてくれました。
お百姓さんは、じぶんのときにも音楽をやったり歌をうたったりしてくれるだろうと思っていましたが、歌をうたってくれる人はひとりもいませんでした。
そこでお百姓さんは、聖ペテロにいいました。
「なぜわたしのときには、お金持ちのときのように歌をうたってくれないのですか? どうやら天国でも下界とおなじように、えこひいきがあるようですね」
すると、聖ペテロがこういいました。
「いや、そんなことはありません。あなたにだって、ほかのみんなとおなじように好意をもっています。ただ、あなたのような貧乏のお百姓は毎日天国にやってくるのですが、さっきのようなお金持ちは、百年ぶりだったのでね」
おしまい
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