童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集 福娘童話集 きょうの日本昔話 福娘童話集
福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 4月の日本昔話 >あき寺の大入道
     4月26日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ふろの日
きょうの誕生花
えびね
きょうの誕生日・出来事
1971年 田中直樹 (芸人)
  4月26日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
あき寺の大入道
きょうの世界昔話
月の見ていた話十四夜
きょうの日本民話
テングと旅をした男
きょうのイソップ童話
ネズミと牡ウシ
きょうの江戸小話
貧乏神のご開帳
4月26日の広告


4月26日の日本の昔話

あき寺の大入道

あき寺の大入道

 むかしむかし、旅の僧がやってきて、村はずれのあき寺へとまることにしました。
 やねはかたむき、かべははんぶんほどもくずれおちていて、まるでおばけやしきです。
(それにしても、なんてひどいあれようだ)
 僧はクモの巣をはらい、本堂のゆかの上にすわりました。
 そのゆかも、あちこちがやぶれていて、ゆか下から草がのびています。
 いろんなあき寺にとまりましたが、こんなひどい寺ははじめてです。
(まあ、草の上にねるよりはましだ)
 僧は、旅のとちゅうでもらったにぎりめしを食べると、ほこりだらけのゆかの上へよこになりました。
 やがて日がしずんで、あたりがくらくなりました。
 その晩は空がくもっていて、月もでません。
 風がでてきたらしく、庭の草がザワザワとゆれています。
 僧は、なかなかねつけず、ゆかの上にすわりなおすと、ゆっくりお経をとなえはじめました。
 すると、ゆかがゆれだし、ミシッ、ミシッという足音が近づいてきます。
 僧はにもつのなかから、煮たき用の鉄なべをだして頭にかぶり、しっかりとつえをにぎりました。
 顔をあげると、目の前に大入道がたっています。
 目玉が三つに、大きな歯がふたつ。
 大入道は目玉をギラギラ光らせながら、僧のそばへ近よると、いきなり太いうでをふりあげ、僧の頭をたたきました。
 ガーン!
 頭にかぶった鉄なべが、大きな音を立てました。
「なんて、なんてかたい頭だ」
 鉄なべをかぶっているとも知らず、大入道はおどろいたようにいいました。
 それでも僧はつえをつかんだまま、ジッと大入道をみあげました。
 するとふたたび大入道がいいました。
「さっさと、でていけ! ここはわしのすまいだ。ぐずぐずしているとひねりつぶすぞ!」
 そのとたん、僧はつえをつかんでとびあがるなり、
「かぁぁぁっ!」
と、さけんで、大入道の頭につえをふりおろしました。
「ギャーッ!」
 ふいのこうげきに、大入道はドタリと、僧の前にたおれこんできました。
 僧はその頭めがけて、
「えい、えい、えい!」
と、つえをうちおろしました。
 すると、大入道のすがたがみるみるきえて、なぐられた頭が小さな木のかたまりのようになりました。
 僧は、そのかたまりをつかむと、庭にむかって力いっぱいなげつけました。
 ガシンッ!
 かたまりは、庭にある大きな石にあたってわれました。
 それっきり、あたりはしずかになりました。
 あやしいものは、もう二どとでてくるようすがありません。
 それでも、僧はねむることができず、朝までゆかの上にすわっていました。
 やがて夜が明けました。
「さて、大入道の正体は、いったい、なにものなのか?」
 僧が明るくなった庭へでてみると、なんと、まっぷたつにわれた古げたがころがっていました。
「タベの大入道は、げたのおばけであったか」
 僧は、われた古げたを本堂のすみにおくと、ゆっくり寺をでていきました。

おしまい

一覧へ移動   このページを閉じる   ホームへ移動

きょうの日本昔話
ミニカレンダー
<<  4月  >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識
- 広 告 -