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12月19日の小話
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お説教
おっちょこちょいの与太郎(よたろう)に、親父がお説教(せっきょう)をしておりました。
与太郎は、だんだん小さくなって、しまいには、たたみに頭をこすりつけております。
それを、悪友たちがのぞきみしましたから、たまりません。
さっそく、みんなにからかわれました。
「おめえは、いつも親父の前で、あんなに小さくなっているのか。いくらなんでも、たたみに頭をこすりつけてあやまらなくても、よさそうなものじゃないか」
と、いうと、与太郎は、
「なんにも知らねえやつは、だまっていな。うちの親父は、こうふんすると、しゃべるときにつばをとばすんだ。ああやって、頭を低くしないと、つばがかかって、ベトベトになっちまうんだよ」
おしまい
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