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        4月27日の日本民話 
          
          
         
ヘビがカエルをのむわけ 
大分県の民話 → 大分県情報 
       むかしむかし、神さまが世界中の生き物をつくったのですが、どの生き物もつくったばかりで、何を食べさせるのかまだ決めていませんでした。 
   生き物たちは何を食べていいのかわからないので、おなかがペコペコです。 
   そこで生き物たちは、かわるがわる神さまのところへ行って、 
  「早く、食べ物をきめてください」 
  と、おねがいしました。 
   すると、神さまが、 
  「明日の朝、食べ物をきめてやるから、みんな集まるように」 
  と、おふれを出しました。 
   よろこんだ生き物たちは、夜の明けるのを待って、神さまのところへ出かけました。 
   さて、ヘビがノロノロとはっていると、後ろからカエルがやってきました。 
  「なんだなんだ、地べたをノロノロとみっともない。もう少しはやく進めないのかね」 
  「そんなこと言っても、おなかがすいて、目がくらみそうだよ」 
   ヘビが力のない声で言いました。 
  「ふん。そんなにノロノロしていては、昼になってしまうぞ。まあ、お前は後からやってきて、おれのおしりでもなめるんだな」 
   カエルはヘビをバカにして、ピョンピョンとんでいきました。 
   生き物がみんな集まると、神さまは次々に呼び出して、それぞれの食べ物をきめました。 
   でも、カエルは、なかなか呼ばれません。 
   怒ったカエルは、神さまの前に飛び出して言いました。 
  「早くわたしの食べ物をきめてください。わたしが一番先にやってきたのですよ」 
   神さまは、うるさいカエルをジロリと見て言いました。 
  「よし、お前は虫を食べるがよい」 
  「えっ? わたしの食べ物は虫ですか!?」 
   カエルは、ガッカリです。 
   それでも食べ物がきまったので、ホッとして帰ろうとすると、神さまが言いました。 
  「待て。お前にはもう少し言うことがある。お前はここへ来る時、ヘビをバカにして、おしりでもなめろと言ったであろう」 
  「まあたしかに。だってそれは、ヘビがあまりにもノロマですから」 
  「いいわけはよろしい。のぞみどおりに、これからはヘビにお前のおしりをなめてもらうことにしよう」 
  「とっ、とんでもない!」 
   カエルはビックリして反対ましたが、神さまは許してくれません。 
   その時から、ヘビはカエルを見つけると、すぐにおしりから飲み込んでしまうのです。 
      おしまい 
                  
 
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